2019年宅建・問題別解説・問11(借地借家法・借地)

宅建に独学合格

合否に影響はないが復習して欲しい1問

例年問11・12は借地借家法から出題されますが、今年も同じように出題されました。


今回扱う借地の問題は、私が問題作成者であればこういう問題を作りたい!と思わせる1問です。


手が出せなかった受験生も多い1問ですが、借地の複数の論点をきちんと理解していないと解けない1問です。




問題を見てみましょう

令和元年・問11

 

甲土地につき、期間を50年と定めて賃貸借契約を締結しようとする場合(以下「ケース①」という。)と、期間を15年と定めて賃貸借契約を締結しようとする場合(以下「ケース②」という。)に関する次の記述のうち、民法及び借地借家法の規定によれば、正しいものはどれか。

 

1.賃貸借契約が建物を所有する目的ではなく、資材置場とする目的である場合、ケース①は期間の定めのない契約になり、ケース②では期間は15年となる。

 

2.賃貸借契約が建物の所有を目的とする場合、公正証書で契約を締結しなければ、ケース①の期間は30年となり、ケース②の期間は15年となる。

 

3.賃貸借契約が居住の用に供する建物の所有を目的とする場合、ケース①では契約の更新がないことを書面で定めればその特約は有効であるが、ケース②では契約の更新がないことを書面で定めても無効であり、期間は30年となる。

 

4.賃貸借契約が専ら工場の用に供する建物の所有を目的とする場合、ケース①では契約の更新がないことを公正証書で定めた場合に限りその特約は有効であるが、ケース②では契約の更新がないことを公正証書で定めても無効である。

 





さあ、いかがでしょうか?



苦戦を強いられた受験生も多かったようですが、きちんと勉強している受験生であれば解けた問題です。


というより表面的な理解ではなく、民法や借地借家法の本質的な理解ができているか?を解く良い問題いです。


まだ詳細な数値は見ていませんが、差がついた1問になったと推測します。




借地権の整理





賃貸借契約には、民法が適用されるものと、借地借家法の規定が適用されるものがあります。


宅建で出題される内容は、以下の5点に整理ができます。


①民法による借地権


②普通借地権


③一般定期借地権


④事業用定期借地権


⑤建物譲渡特約付き借地権




それぞれの簡単な特徴については以下にまとめています。









これを踏まえてそれぞれの選択肢を見ていくと、借地借家法のいい勉強になりますので、各選択肢の解説のところにも記載しておきます。




選択肢1 ×

(ケース①は50年、ケース②は15年の賃貸借契約)

賃貸借契約が建物を所有する目的ではなく、資材置場とする目的である場合、ケース①は期間の定めのない契約になり、ケース②では期間は15年となる。





資材置場が賃貸借契約の目的ですので、民法が適用されます。







民法の賃貸借の存続期間は最長20年ですので、契約でこれより長い期間を定めたときであっても、20年となります。



そのためケース①は期間20年の契約となり、ケース②では契約通り期間は15年となりますので、この選択肢は誤っています。




選択肢2 ×

(ケース①は50年、ケース②は15年の賃貸借契約)

賃貸借契約が建物の所有を目的とする場合、公正証書で契約を締結しなければ、ケース①の期間は30年となり、ケース②の期間は15年となる。





建物の所有が賃貸借契約の目的ですので、借地借家法が適用されます。



 





借地借家法では、借地権の存続期間を30年と定めています。



そして30年より長い期間を定めた場合には、その定めた期間が存続期間であり、30年より短い期間を定めた場合、存続期間は30年ということになります。



これにあてはめるとケース①の期間は50年で、ケース②の期間は30年です。
よってこの選択肢は誤っています。


公正証書うんぬんに惑わせれた受験生も多かったようですが、借地借家法を正しく理解していれば、すぐに正誤の判断はできる選択肢です。




選択肢3 ○

(ケース①は50年、ケース②は15年の賃貸借契約)

賃貸借契約が居住の用に供する建物の所有を目的とする場合、ケース①では契約の更新がないことを書面で定めればその特約は有効であるが、ケース②では契約の更新がないことを書面で定めても無効であり、期間は30年となる。





建物の所有が賃貸借契約の目的ですので、借地借家法が適用されます。 






居住の用に供する建物としていますから、借地形態の中の事業用定期借地は除いて判断することになります。


ケース①は一般定期借地権が該当します(期間50年、契約の更新がない特約は可能)。



ケース②は普通借地権が該当します(15年という30年より短い期間は30年になり、契約の更新がないことを書面で定めても無効)。



よってこの選択肢は正しい内容になり、これが正解の選択肢になります。




選択肢4 ×

(ケース①は50年、ケース②は15年の賃貸借契約)

賃貸借契約が専ら工場の用に供する建物の所有を目的とする場合、ケース①では契約の更新がないことを公正証書で定めた場合に限りその特約は有効であるが、ケース②では契約の更新がないことを公正証書で定めても無効である。





ケース①は一般借地権で適用可能ですので、公正証書で定めた場合以外でも特約は有効になります。



ケース②は公正証書により事業用定期借地権を成立させれば、存続期間を15年で契約の更新なしとすることも可能です。



よってこの選択肢は誤っています。





直前予想模試ではどうだったか?





複数の論点を組み合わせた問題になりますので、この問題を予想できた問題集はありませんでした。


かといって、この問題が悪問になるかと言われるとそうではありません。



これこそ難問です。





難問と悪問の違い





塾講師の時から難問と悪問は全く違う!という話をよくしていました。


難問はよく知られている知識を組み合わせて、どのように解いたらいいのか?を考えさせる問題です。


一方、悪問は全く習ったことがない問題です。


宅建でも悪問に分類させる問題が出ることがあり、これについては引っ張られて費用対効果が低いので、復習する価値は低くなります。


一方、難問は出題者が創意工夫を凝らして作成した非常にいい問題であり、本質をとらえています。


今回の問題は、借地のタイプをきちんと理解しているか?というメッセージを感じる問題ですので、テキストを横に置いてよく理解して欲しい問題です。




今回もお読み頂きありがとうございました。




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