宅建2020年の合格点は38点!21年や12月実施分はどうなる?

宅建に独学合格

こんにちは坂上です。

働きながら宅建に独学で合格、元々は塾講師ですので、自分の勉強方法やデータ分析を通じて、毎年宅建受験生の独学合格を支援しています。

2020年度の宅建の合格点は史上最高の38点と衝撃の点数となりました。

この高得点化の傾向は12月実施分や2021年以降も続くのか?は、宅建受験者にとっては気になるところだと思います。

合格点がここまで高くなった背景としては、コロナ禍で自宅にこもって勉強しやすかった、あるいは宅建業法や税・法令上の制限で基本的な問題が多く出題された等が考えられます。

しかし、公開されている情報を分析するとそれだけはないのでは?というデータが出てきましたので、そのデータとそこから見えることについてお伝えします。


1回実施・2回実施の都道府県の合格率の変化



毎年宅建が終わると結果の概要が発表されます。

ここには毎年都道府県別の合格者数や合格率のデータが出てきます。

2020年の宅建は試験会場の確保の関係で、2回実施される都道府県と1回の都道府県があります。

この2つで前年との大きな合格率の違いがありますので、それをご紹介します。

まずは受験が10月に1回実施の都道府県の合格率を2019年度と比較してみます。

都道府県2019合格率2020合格率結果
北海道14.5%13.8%
青森14.5%12.6%
宮城14.6%14.9%
秋田14.5%13.4%
山形16.3%14.6%
福島12.6%13.7%
茨城16.1%15.6%
栃木14.3%14.4%
群馬15.3%15.2%
新潟16.4%15.4%
山梨14.7%15.9%
長野14.0%16.0%
富山17.1%17.2%
福井17.3%16.1%
静岡16.1%13.6%
愛知18.8%16.7%
三重16.7%13.5%
滋賀15.6%15.3%
兵庫17.0%16.8%
和歌山15.5%13.2%
鳥取15.8%16.6%
島根17.4%16.3%
岡山16.4%17.0%
広島16.1%15.1%
山口18.1%16.7%
徳島13.5%15.8%
香川16.7%15.8%
愛媛13.0%15.1%
高知16.9%15.4%
佐賀14.9%14.1%
長崎15.8%11.9%
熊本14.1%13.4%
大分16.2%14.6%
宮崎14.2%13.8%
鹿児島12.7%11.6%
沖縄13.6%12.6%



目立つのは合格率が下がった事をあらわす「(青の下矢印)」で、実に36のうち26の都道府県で合格率が下がっています(72.2%で合格率が下落)。

ちなみに全体の合格率は17.0%(19年度)から17.6%と上がっていますので、通常であれば上がっている都道府県が多いはずです。

次に、12月にも実施される都道府県の合格率を2019年度と比較してみます。

都道府県2019合格率2020合格率結果
岩手13.3%15.8%
埼玉17.9%20.5%
千葉17.1%22.7%
東京19.1%21.4%
神奈川17.4%17.6%
石川16.8%18.3%
岐阜17.6%18.4%
京都17.0%24.7%
大阪16.9%19.8%
奈良16.6%20.7%
福岡14.7%16.4%



11の都道府県全てで合格率が上がっています(つまり全体の合格率UPはこれらの都道府県が引っ張っている)。

これはどういうことか?というと不動産適正取引推進機構のQ&Aにはこのように書かれています。

Q2 10月18日の試験と12月27日の試験の受験申込者の振り分けは、どのように行うのですか?

A2 都道府県ごとに、基本的に、試験区分(一般受験者又は登録講習修了者)ごとの先着順になります。ただし、都道府県内で複数の試験会場を設定している場合は、受験申込者の住所と試験会場の所在地を勘案させていただくことがあります。



つまり2回の実施になった都道府県のうち10月に受験したのは、「申し込みが早い受験生」です。

そして私は毎年受験生とのやり取りをしているから分かるのですが、宅建に早く申し込む受験生は「宅建に対して前向きな受験生(=充分勉強をして受験する人)」が多いです。

個人の経験からも申し込みが早い受験生はよく合格しており、ギリギリに申し込んだ受験生ほど不合格…という印象があります。

今までは個人的な感覚でしかありませんでしたが、「2回実施される都道府県は合格率が上がった(それ以外の都道府県は合格率が低下)」という露骨な結果が出ました。

こういった特殊な要因が2020年度10月実施分の合格点を過去最高にした、とも考えられるので単純にこれからもこの傾向が続く、とは単純に言えませんが、今後も社会の動向には注意が必要です(2021年もコロナの影響が残れば、年2回実施になる…など先々のことは分かりません)。


では12月実施の宅建の難易度はどうなるか?



先ほどの数値を見るに、2回実施される都道府県で10月に受験した人は、宅建受験者の中でも高学力の受験者が多く含まれていると考えるのが妥当です。

では12月実施の宅建の難易度はどうなるのか?先ほどの不動産適正取引推進機構のQ&Aにはこのように書かれています。

Q5 10月の試験と12月の試験では、試験問題は異なるのですか? 試験問題が異なるとすれば、合格ラインはどうなるのですか?

A5 試験問題は異なります。10月の試験と12月の試験の合格ラインは、実質的に同レベルとなるように設定します。



この実質的に同レベル、というのが何を指すのかが重要なのですが、問題の難易とも読み取れますが、一番分かりやすいのは合格率でしょう。

10月実施の宅建の合格率は17.6%でしたが、仮にこれと同じ基準になるようであれば、高学力の受験者が少なくなっている分、理論的には受かりやすくなると考えられます。

ということで2020年12月実施分については、通常より合格しやすい環境にあるとは言えます。

また特殊な状況での合格点のため、21年以降もこれだけ高い合格点が続くかの参考にするのはやや総計です(12月実施分の合格点を見てから判断するのが適切)。

ただし、きちんと勉強しないと受からないということは変わりませんので、しっかりと対策をして本番に臨んでください(寒い中での受験です、体調にもくれぐれもお気をつけください)。

【宅建の基本的な勉強の仕方についてはこちらもご参考にしてください】




今回もお読み頂きありがとうございました。


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