早稲田の日本史対策のためのオリジナル史料問題②

早稲田に独学合格

早稲田の史料問題攻略の第2弾です。

第1弾も合わせてお読みください。

早稲田の日本史・史料問題攻略 戦後史は施政方針演説に学べ①

今回も戦後内閣の施政方針演説を取り扱います。


問題

次の史料を読み、問1~8に答えよ。

【中略】(a)終戦以来四箇年有余、同情ある外援と国民の努力によりまして、食糧事情は緩和せられ、生産は漸次回復し、貿易また増進いたしまして、財政の均衡を得るとともに、インフレは終熄し、今や国家復興によみがえらんとする国民の意気とみに旺盛なるの概あるは、まことに御同慶の至りであります。

 経済の安定は自然政情の安定を促し、民主主義は国民の間にますます根底を固め、健全なる発達をいたしておることは、諸君御承知の通りであります。過激思想に対して、国民は正確なる判断のもとにこれを支持せざる事実は、累次の各種選挙において、はなはだ明瞭なる事実であります。(b)すなわち各政党の得票に徴しまして、この事実ははなはだ明瞭と私は信ずるのであります。

【中略】隣邦諸国を顧みますれば、(C)中国の政情はなはだ安定を欠いておるのみならず、その外交関係はしきりに粉糾を加え、東南アジアもまた共産分子の活動に非常な脅威を感じておるのであります。

【中略】さきに臨時国会におきまして、講和問題につき種々論議せられましたが、(d)全面講和の何人もこれを希望するのはもとよりでありますが、しかしながら、これは一に国際の客観情勢によることでありまして、わが国の現状といたしましては、いかんともできないことであります。

【中略】今回ここに提出いたします明年度予算は、本年度予算同様、(e)総合均衡予算の原則を堅持するものであります。また既定の経済安定復興政策を、さらに積極的に遂行せんとするものであります。総合均衡予算は、既往(f)昭和六年以来初めて現内閣においてここに編成せられたものであります。

【中略】税制改革は国民多年の要望であり、また政治の源であります。政府は、<g>の勧告に基き、前国会に引続き、中央地方を通じて、すでに全面的税制の大改正を行わんといたしておりますが、なお進んでますます行政の簡素化、官庁、官業の合理化ないし統合を遂行いたしまして、財政の緊縮、課税の軽減をますます行うのみならず、地方行政調査委員会議の調査を待ちまして、地方制度をも改革し、健全なる自治の発達、地方財政の確立をはからんとするものであります。

第7回(常会) 施政方針演説



問1 下線(a)の時期にあてはまらない出来事を1つ選べ

ア  湯川秀樹が日本人最初のノーベル物理学賞を受賞

イ  黒澤明の「羅生門」がヴェネツィア国際映画祭金獅子賞を受賞

ウ  法隆寺金堂壁画が焼損

エ  丸山眞男が「超国家主義の論理と心理」を「世界」に発表

オ  坂口安吾が「新潮」に「堕落論」を発表


問2 下線(b)は第24回衆議院議員総選挙の得票状況を指しますが、この時の選挙で第1党となった政党名を答えよ


問3 下線(c)について、中華人民共和国の建国を宣言した人物は誰か


問4 下線(d)を主張し、当時の総理大臣から「曲学阿世の徒」と呼ばれた人物は誰か


問5 下線(e)はデトロイト銀行頭取の指導に基づき実施された経済財政政策の一部であるが、この経済財政政策にあてはまらないものを1つ選べ

ア  すべての補助金の可視化及び廃止

イ  復興金融債権の発行と新規貸し出しの停止

ウ  1ドル=360円の単一為替レートの設定

エ  鉄鋼・石炭に資材・資金を超重点的に投入

オ  物資統制と価格統制の漸次廃止、自由競争の促進


問6 下線(f)について、その時の内閣と出来事の組み合わせとして正しいものを2つ選べ

ア  斎藤実内閣   ―   国際連盟を脱退

イ  岡田啓介内閣   ―   日独防共協定

ウ  犬養毅内閣   ―   金輸出再禁止

エ  幣原喜重郎内閣   ―   二・一ゼネスト中止

オ  広田弘毅内閣   ―   国体明徴声明

カ  平沼騏一郎内閣   ―   国家総動員法


問7 gにあてはまる人物は誰か


問8 この施政方針演説を行った人物は誰か。


解答解説

問1 下線(a)の時期にあてはまらない出来事を1つ選べ

終戦以来四箇年有余とは1945年8月~(この演説は1950年1月)の事を指します。その時の文化史にあてはまる内容となり、占領期の文化などというカテゴリーでくくられています。

ア  湯川秀樹が日本人最初のノーベル物理学賞を受賞

→ 1949年 (あてはまる)

イ  黒澤明の「羅生門」がヴェネツィア国際映画祭金獅子賞を受賞

→ 1951年(あてはまらない)

ウ  法隆寺金堂壁画が焼損

→ 1949年(あてはまる)

エ  丸山眞男が「超国家主義の論理と心理」を「世界」に発表

→ 1946年(あてはまる)

オ  坂口安吾が「新潮」に「堕落論」を発表

→ 1946年(あてはまる)


問2 下線(b)は第24回衆議院議員総選挙の得票状況を指しますが、この時の選挙で第1党となった政党名を答えよ

民主自由党が正解になります。第2次・第3次吉田茂内閣はこの政党が中心となりますが、1950年3月に民主党連立派と合同し、自由党が結成されます。


問3 下線(c)について、中華人民共和国の建国を宣言した人物は誰か

毛沢東が正解になります。1945年11月から始まった内戦の後、1949年10月に毛沢東が中華人民共和国の建国を宣言します。共産党が指導する社会主義国家の建設が進められていきます。


問4 下線(d)を主張し、当時の総理大臣から「曲学阿世の徒」と呼ばれた人物は誰か

南原繁が正解になります。

占領下におかれた日本は、1951年9月のサンフランシスコ平和条約調印(翌年4月発効)をもって独立を果たします。

その前年から、日本国内では、講和論議が高まっており、全面講和(すべての交戦国と講和する)と、単独講和(東西冷戦下のため、アメリカ・イギリスを中心とする西側各国とまず講和する)という、いわば理想論と現実論が対立していました。

この時に全面講和を主張していたのは、安倍能成、大内兵衛、矢内原忠雄らの学者ですが、中でも南原繁に対して、総理大臣・吉田 茂は、「曲学阿世(きょくがくあせい)の徒」と非難しました。


問5 下線(e)はデトロイト銀行頭取の指導に基づき実施された経済財政政策の一部であるが、この経済財政政策にあてはまらないものを1つ選べ

ドッジ・ラインと呼ばれる経済財政政策です。

ア  すべての補助金の可視化及び廃止 → あてはまる

イ  復興金融債権の発行と新規貸し出しの停止 → あてはまる

ウ  1ドル=360円の単一為替レートの設定 → あてはまる

エ  鉄鋼・石炭に資材・資金を超重点的に投入 → あてはまらない

オ  物資統制と価格統制の漸次廃止、自由競争の促進 → あてはまる


傾斜生産方式の内容を指しますので、あてはまりません(正解の選択肢)。ウの1ドル=360円の単一為替レートの設定だけ覚えがちですが、他の項目もこの機会に覚えましょう。


問6 下線(f)について、その時の内閣と出来事の組み合わせとして正しいものを2つ選べ

ア  斎藤実内閣   ―   国際連盟を脱退

正しい組み合わせです。外務大臣は松岡洋右です。

イ  岡田啓介内閣   ―   日独防共協定

1936年の広田弘毅内閣の出来事ですので、誤っています。

ウ  犬養毅内閣   ―   金輸出再禁止

正しい組み合わせです。大蔵大臣は髙橋是清です。

エ  幣原喜重郎内閣   ―   二・一ゼネスト中止

1947年の第1次吉田茂内閣の出来事ですので、誤っています。

オ  広田弘毅内閣   ―   国体明徴声明

1935年の岡田啓介内閣の出来事ですので、誤っています。

カ  平沼騏一郎内閣   ―   国家総動員法

1938年の第1次近衛文麿内閣の出来事ですので、誤っています。


よって正解はアとウです。


問7 gにあてはまる人物は誰か

税制改革、勧告とありますのでシャウプ(博士)が正解になります。シャウプ勧告と言われ、所得税を中心とした直接税中心の税制、申告納税制の採用、地方財政の強化など、現在の税制の基本的な内容となっています。


問8 この施政方針演説を行った人物は誰か。

吉田茂が正解になります。

全面講和やドッジ・ライン、シャウプ勧告などの内容を考慮すると正解が導き出せると思います。


吉田茂内閣には、占領期の重要なトピックが多々盛り込まれていますので、よく確認をしてください。


本日もお読みいただきありがとうございました。



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