学部別入試の対策を立てることで合格可能性は上がる
学部別入試の特徴とは?
早稲田受験の大前提は、一般試験の場合、入試は学部別に行われるという事です。
これによって
●入試の日程は全て違う(複数学部の受験が可能)
●入試の問題も全て違う(学部によって微妙に対策が異なる)
学部別の入試の場合、当たり前ですが、1つの学部につき1回の受験日程です。
この場合、試験日程からどのように受験するか?を逆算するという発想が大切です。
以下、2020年2月に行われる一般入試のスケジュール(配点付き)をご覧ください。
これを見て頂くと、早稲田大学の受験では国語と社会の配点が大きい事も分かります。
最新の正確な情報は以下をご参照ください(早稲田大学入試センター)。
受験におけるスケジュールの重要性
一番合格しそうなパターンで受験スケジュールを組む
そしてこのスケジュールを踏まえて、特にこだわりがないようであれば、自分が一番合格しそうなパターンで受験できるようにスケジュールを組みます。
塾講師時代、受験生の合格可能性を高めるために志望校検討会を実施していました。
これは各生徒の状況と志望校を踏まえると、残りの時間をどのように振り分けると一番成績が伸びるのかを考え、生徒にフィードバックするというものです。
そして私立受験者の場合は、複数受験する事がほとんどですので、どのように入試スケジュールを組むと生徒の希望を満たしつつ、合格の可能性が最大化するのかを考えていました。
3日の連続の受験は体力的にかなりきつい
大学で勉強したい事が具体的にあり、行きたい学部にこだわりがあるようだと話は別ですが、こだわりがないなら、なるべく3日連続して受験するのは避けた方がいいです(ただしいくら受けて大丈夫という人も中にはいます)。
私も高校時代は割と体力には自信のある方でしたが、1回の試験が終わった後はかなり疲れていました。
体験しないとなかなか分かりませんが、本場の緊張感というのは独特です。
例えば私立大学の医学部受験の場合は、とにかく毎日のように受験が続きます。1回の受験に使うパワーは尋常ではありません。
特に自分にとって本命ないしは優先順位の高い大学を受験する前にはなるべくコンディションを整える事を勧めています。
特に大逆転合格を狙うには無駄なことをしている時間がありませんので、手を広げ過ぎずに受ける学部を決めていきましょう。
受験における試験形式の重要性
マーク式か記述(そのうえ本格的か)かで対策が違う
次に入試の問題が異なるという点では、分かりやすいので試験の形式をよく見てみましょう。
試験の場合はマーク式か記述式かという2つの形式に分かれます。
早稲田大学の場合はマーク式のみか、マーク式と記述式を併用している学部があります。
また同じ記述式でも、要約や英作文など本格的な記述を必要とするものとそうでないものがあります。
具体的な内容は以下の通りです。
特に鍵となる英語で本格的な記述問題が出るものには、★をつけています。
どちらの形式が好きかは受験生の好みによるところがありますが、一般的には記述式の方が難問を作りやすくなっています。
ただし、マーク式で難問と言われる問題は
というパターンが多く、マーク式だから簡単・・・という訳ではないのです。
しかし書くのか、書かないのかという点は、ギリギリの状態から逆転合格を狙う受験生にとっては大きなことです。
本格的な記述問題(英語)は付け焼刃では難しい
例えば特に英語の場合はこれが顕著で、英作文など本格的な論述を要する問題では単語を書く必要があります。
それ以外でもセンター試験を受験する生徒であればリスニング対策が必要ですし、東大を受験する生徒であればより本格的なリスニング対策が必要です。
しかし、私の状況で言えば『英語は大コケしない程度、単語・熟語を覚えて、長文だけなんとかする』という戦略を立てていました。
逆に言えば、それ以外の事はしない!という戦略です。
そのため単語を覚えるにあたり、はっきりいえば音も聞いていないですし、ろくに書いてもいません。
とにかく単語とその意味、どのような文脈でよく使われるか、どのような単語とよく一緒に使われているか、これしか見ていませんでした。
目的によって勉強の仕方は変わる
私の受験勉強の仕方では本格的な英語力はつかない…
私の英語学習の致命的な欠点は『合格はできるが、本格的な英語力はつかない』という点です。
もしこの勉強法を採用しようと思った方は、この点だけはリスクとして承知してください。
私の勉強法はあくまで『合格圏外から、短期間で早稲田大学に現役合格する勉強方法』なのです。
実際に大学に入ってからも英語では苦労したのと、社会人になってからも英語は大嫌いでした。
試しに受けてみたTOEICは300点台、しかしまたこれは書く機会があれば書きますが、1年半~2年で500点以上伸ばしました。
ちなみにこの時は、受験時代の英語学習法とはやり方が異なります。
なせならばこの時は受験と違って、自分の置かれている状況と目的が全く異なった。
この時は生徒に話すネタとして、英語を伸ばす方法が話せたらいいな・・・という気持ちでしたので、特に期限を設けていませんでした(ちなみに英語を勉強している私の姿で生徒は刺激を受けていたようでした)。
受験先を決めるためにまず全学部の問題に目を通す
話はそれましたが、何が言いたいかというと自分の置かれている状況と目的によってとるべき戦略も異なるのです。
試験の形式が異なるというのは、勉強する方向性も微妙に変わります。
そしてどの形式だと一番点数を取りやすいかというのは、自分が問題を解かない事には分かりませんので、早めに全学部の過去問に目を通すことをお勧めします。
仮に私と似たような状況であれば、本格的な記述問題がある政治経済学部と法学部の問題とは相性が良くないのです。
大学で何をしたい、どの学部に行きたい、という事ではなく、ただ早稲田大学に合格したいという事であれば、自分が受かる可能性が最も高くなるパターンで受験を検討しましょう。
学部によって2科目突破法での合格可能性が変わる
政経・法は国語・社会の2科目突破法では難しい
早稲田大学は受験に必要な3科目のうち、2科目を得意科目にする事で合格できますが、ただしこの受験の仕方、『2科目突破法』では、合格しにくい学部もあります。
それは政治経済学部と法学部です。
この2つの学部は最難関の国立大学である東大・京大・一橋の併願先になります。
そして彼らは国立大学の2次試験の科目4~5科目のうち3科目は得意としており、その3科目で早稲田を受験します。
これに対して2科目しか武器がない2科目突破法では、彼らと競争するうえでは不利になります。
それでも配点が大きい英語が得点源になれば合格する可能性はありますが、国語・社会の2科目突破法では不利になります。
またこの2つの学部が2科目突破法で合格しにくいのは、合格最低点が他の学部と比較して政治経済学部はやや高め(70%に到達する年度がある)、法学部はやや低めです(60%を下回る年度が多い)。
つまり政治経済学部は何かで足を引っ張れない、法学部は高得点を取って挽回できない入試になっています。
試験がこういった条件であることも2科目突破法では合格しにくい理由です。
この2学部は他の学部と比較して目標となる偏差値も高いのですが、単に偏差値が高いというだけでは何をしたらいいか見えてこない事もあります。
他の学部は2科目突破法で十分合格可能
それ以外の国立大学との併願受験者であれば、二次試験の科目は3つ(英語・国語・数学がメイン)と早稲田大学と同じです。
受験する3科目を高いレベルで揃えられているなら、最難関大学の受験に向かう事が考えられますので、得意なのは2科目まで、条件は同じと考えられます。
むしろ早稲田専願者は徹底的に対策を打っていますので、条件的にはこちらが有利なはずです。
では早稲田専願者はどうかといえば、私のこれまでの経験からも3つは揃っていない人が多いです(社会は時間をかければまず伸びるので、英語と国語のどちらかが弱い場合が多い)。
そもそも得意科目が3つ揃っていれば、強烈な早稲田志望者以外は、最難関国立大学(特に東大)を志望する傾向あるのではないかというのが、これまでの経験からくる私の仮説です。
政治経済学部や法学部以外の学部については2科目突破法でも十分勝負できる学部(国際教養学部で英語が苦手などは除きます)が多いので、それに当てはまる受験生は引き続き当ブログをご参考にして頂ければと思います。