早稲田で合格しやすい学部は偏差値で判断する?

早稲田に独学合格

 偏差値だけでは合格可能性は分からない

受験における偏差値の意味を理解する



受験先を決めるためや難易度を把握する時に、偏差値で判断する受験生は多いと思います。

しかしこれは全体像を捉えるという意味では間違ってはいませんが、『自分が受かるのか!』という個の視点になった時は、判断材料としては微妙にズレます。

なぜならば偏差値というのは自分の位置が全体のどのあたりにいるか?をあらわすものでしかないからです。

『東大模試』のように大学の冠がついていない一般模試的な模試は、例えるなら体力測定テストです。

この場合、大谷翔平選手と一般の高校生の握力・反復横跳びなどの基礎体力を比較すれば、明らかに大谷選手の方が上でしょう。

大学入試は『その分野で勝つ』ために鍛えた人が勝つ



しかし、この高校生がバスケ部で、一定の期間本格的にやっていれば、バスケの1対1の勝負では勝つことができるはずです。

つまり人は得意分野など部分的には勝てる事がある、というより『勝てる所で勝負をする』のです。

大学入試のように戦う場所(当然勝てる見込みがあるところを選ぶ)が決まっているようであれば、『その分野で勝つ』ために鍛えた人が勝つのです。

ただし、大谷選手相手でもバスケなら勝てるかもしれない・・・という話をしましたが、100ⅿ走るのに20秒かかるとか、基礎的な体力に大きな差がある時はさすがに勝つのは難しいでしょう。

大学入試でもいくら特定の分野では勝てるといっても、基礎となる部分で大きな差があれば、その時点で負けてしまいますので、基礎については徹底的に固めてください。


大学入試で合否を決めるものとは?

ある程度までいけば、あとは配点と問題の相性で決まる



そのうえでそれなりに戦えるだけの基礎力がある場合、大学入試において何が合否を決めるのでしょうか。

それは『配点と問題の相性』です。

私立大学医学部の受験などで、複数の受験先を受けた生徒を何人も見てきましたが、合否は偏差値の高い低いでは決まっていませんでした。

偏差値ではより上位にある大学には合格したものの、下位にある大学には落ちてしまったというケースは大学入試では良くある現象です。

例えば以下の2つの大学の偏差値と配点(英語)は以下の通りです。

【偏差値】

順天堂大学(医学科)の目標偏差値は72

昭和大学(医学科)の目標偏差値は71

(進研模試2018年・3年6月の数値)

 

【配点(英語)】

順天堂大学が500点満点中200点(40%) 

昭和大学が400点満点中100点(25%)

*2018年入試時点



このような場合、英語が得意な生徒が偏差値では上の順天堂大学は合格、逆に昭和大学は不合格となるケースがあるのです。

大学の目標偏差値だけでは、自分が合格する可能性はどちらが高いのか?が測れないというのはこういう事なのです。

また問題の相性というパターンとは以下のようなケースをいいます。


【偏差値】

日本大学(医学部医学科)の目標偏差値は71

東京女子医科大学(医学部医学科)の目標偏差値は71

(進研模試2018年・3年6月の数値)

 

【配点(英語)】

両方大学ともに400点満点中100点(25%)

*2018年入試時点

 

【英語の問題】

日本大学はマーク式

東京女子医科大学は和訳や英作文といった記述の問題が出る



他の科目との兼ね合いもありますが、問題の形式によって得意不得意が出ますので、片方は合格、もう片方は不合格というパターンが起きるのです。

これが偏差値ではなく、『配点と問題の相性』で合否が決まるという分かりやすい事例です。


模試では早稲田現役合格の可能性が分からない?

学部別入試の早稲田!入試を100%再現した模試は無い



私は早稲田大学に受かるための学習に特化していましたので、センター型の模試や『総合記述模試』のように受験先が特定されていない試験では、同級生に負けていました。

しかしとにかく『配点と問題の相性』を意識した学習をしていましたので、早稲田型の模試では私の方が良い結果を出しており、最終的には現役で合格しています。

しかしこの早稲田型の模試も大学全体の傾向は捉えていますが、早稲田大学の入試は『学部によって問題が異なる』のです。

大問の選択はできますが、模試では自分の受ける学部では出題されない形式の問題も解く事になります。


つまり100%入試を再現した模試は無いのです。


だからこそ私自身も高校時代に思っていた事であり、生徒にも伝えていましたが、『本番に直結しない模試の結果は気にしない』です。

ちなみに一番良かった早稲田模試でも私の判定はC判定でしたが、ある程度合格を確信できたのは過去問では合格点を安定的に取れるようになった時です。

学部によって問題が違う!だからこそ同じ形式で問題を解ける過去問が一番の指標なのです。


模試は入試本番の点数を伸ばすために受ける



では何のために模試を受けるのかと言えば、入試本番での点数を伸ばすためです。

見た事があるのに読めなかった単語、意味を取り違えた現代文の選択肢、全く知らなかった日本史の知識など、模試には自分が入試本番で点数を伸ばすためのヒントが山のようにあります。

これを放置しておくのは非常にもったいない事ですし、模試の受験料とはある意味ここに価値があると思いますので、必ず自分の学習に活かしてください。

模試の考え方については宅建でもお伝えしていますので、こちらもご参考にしてください。

自分の偏差値、模試などに記載されている目標偏差値は1つの指標ですが、自分の合格可能性を高めるのは必ずしもそれだけではありません。

繰り返しになりますが、早めに過去問を解いて自分の相性のいい学部、そしてそこに合格するための戦略を立てていきましょう。


早稲田大学(教育学部〈文科系〉) 2020年版;No.428 (大学入試シリーズ) [ 教学社編集部 ]
早稲田大学(人間科学部) 2020年版;No.430 (大学入試シリーズ) [ 教学社編集部 ]
早稲田大学(文学部) 2020年版;No.426 (大学入試シリーズ) [ 教学社編集部 ]
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早稲田大学(法学部) 2020年版;No.422 (大学入試シリーズ) [ 教学社編集部 ]
早稲田大学(社会科学部) 2020年版;No.425 (大学入試シリーズ) [ 教学社編集部 ]
早稲田大学(国際教養学部) 2020年版;No.432 (大学入試シリーズ) [ 教学社編集部 ]
早稲田大学(スポーツ科学部) 2020年版;No.431 (大学入試シリーズ) [ 教学社編集部 ]
早稲田大学(文化構想学部) 2020年版;No.427 (大学入試シリーズ) [ 教学社編集部 ]
早稲田大学(商学部) 2020年版;No.424 (大学入試シリーズ) [ 教学社編集部 ]
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