高校生活を野球漬けで過ごしたこの生徒(高校球児)が、残り8か月、現役で早稲田大学に合格できるのでしょうか?
受験本番まで残り8か月、偏差値を30上げて早稲田に合格することは可能です。
私はこの勉強方法を2科目突破法と名付けたのですが、短時間で逆合格を狙うならこの方法が最適であると確信しています。
まず私自身の経験ですが、高3の夏まで部活漬けの生活を送っていましたので、成績は常に超低空飛行を続けていました。
無事に合格した後の学生時代、アルバイトも色々しましたが、ずっと続けていたのは家庭教師や受講講師といった教育系のアルバイトでした。
そしてその学生時代も、その後教育業界に就職した後も、「えっ!?」というような受験生を早稲田に現役合格させてきました。
逆転合格を狙う早稲田受験生に対して使っていた「2科目突破法」という勉強方法をまとめましたので、是非お役立てください。
早稲田現役合格の為には自分の状況と合格する条件を理解する
逆転合格するためには分析が重要
多くの受験生の合格支援をしてきましたが、志望校に合格するためにはまず最初に以下の2点を徹底的に理解する事が必要です。
①自分の置かれている状況
②進学先に合格する条件
そして私が指導に関わった生徒に対しても、その生徒に合った戦略を立てるところに徹底的に時間をかけています。
自分の手持ちの武器をよく分析する
①の自分の置かれている条件ですが、まず自分の持っている武器をじっくりと分析する事から始めました。
私の模試の成績は英語・数学・国語の3教科のものでした。
そしてこの時点で得意といえる科目はありませんでした(偏差値でいえば英語・数学が30台、国語も40台ひどい時は30台)。
しかし、早稲田大学の入試科目は英語・国語・社会ですので、数学の成績は受験には無関係です。
また高1で地理、高2で世界史を履修しており、定期テストではどちらの成績も振るいませんでした。
しかし、私が受験科目として選択したのは日本史でしたので、他の科目の不振は受験に無関係でした。
そして私は昔から歴史の漫画をよく読んでいましたので、日本史の大まかな流れはよく知っていたのと、何よりもこの科目が好きでした。
また日本史の文学史の勉強は、現代文や古典で出題されるような文学史にもつながります。
つまり『自分の手持ちの武器』を検証したところ、これまでの苦手をリセットして、逆に強みを活かせる可能性が大いにある状態だったのです。
進学先に合格する条件(教科の特性を知ろう)
次の②の進学先に合格する条件ですが、これを理解するうえではまず教科の特性について知る必要があります。
【数学】
【英語】
【国語(現代文)】
偏差値40から本番では満点に!?早稲田逆転合格を実現する現代文の解き方
【国語(古典)】
【理科】
【社会】
分析ができれば対策がつてる
教科の特性を踏まえて対策を打つ
このように各教科によって特性がありますので、難関大学と言われるところでも、受験科目によって対策が異なってきます。
文系か理系か、国立大学か私立大学かなどでも異なりますが、逆転合格においてまず見るべきところは共通しています。
それは受験必須科目が英語と数学の両方なのか、どちらか片方だけなのか?という事です。
難関と言われる国立大学は文系であれ、理系であれ、基本的には英語と数学の両方が課されます。
また医学部も含めた難関私立大学(理系)も基本的には英語と数学の両方が課されます。
という事は私立の文系のみ数学がなく英語だけが課されます(2021年の早稲田大学政治経済学部の一般入試改革では数学が必須になりますが、まだ主流は英国社の3教科です)。
これが非常に大きいことで、成績を伸ばすためにかける時間が相当短縮されます。
英語と数学の両方を短期間で仕上げるのは相当難しいので、同じ状態(高3の夏で偏差値40)から東京大学など難関国立大学や医学部(国公立はもとより私立大学でも)に合格する事は非常に難しいです。
これらの大学に高い確率で合格するための戦略は、時間をかけて英語・数学を武器にしていく事です。
早稲田は「2科目突破法」で合格できる
一方時間のかかる科目は英語という難関私立文系でも、早稲田・慶應では取るべき戦略が異なります。
慶應の場合は、英語の配点が大きい(約半分)ため、英語を武器にする事でかなり合格に近づきます(言い換えれば英語ができないと合格は難しい)。
早稲田の場合は、英語の配点は高いものの、国語・社会で全体の6割以上占める学部がほとんどです。
ということは、国語・日本史を重点的に勉強すれば、偏差値40からでも早稲田に合格できる!という戦略が成り立ちます。
私はこの学習の仕方を『2科目突破法』と名付け、私だけでなく自分が受け持った受験生はこの方法で何人も逆転合格させてきました。
大きな方針が決まれば、あとはどのように勉強をしていくか?が問題になります。
早稲田に逆転現役合格を可能にする『科目の優先順位』の考え方
科目によって時間のかけ方で伸び方が違う
上のグラフは、私が考える科目による学習時間と成績の伸び方で、科目によって特徴が異なるため、学習時間が成績に反映されるスピードも違います。
英語や数学は伸びるのに時間がかかりますが、伸びれば安定した得点源になります。また入試では配点が大きいので、得意になれば最も得点が取れます。
古典も英語と似たところがありますが、英語に比べれば覚える事が少ないので、伸びるためにかける時間は長くはありません。
そして社会や理科はやればやるほど伸びる科目ですし、暗記の面が大きい科目ですので、受験後半戦でも伸ばすことができます。
そして現代文は正しい勉強法をすればいきなり伸びます、というより正しい勉強法をしない限り伸びない・・・という性質があります。
偏差値40から本番では満点に!?早稲田逆転合格を実現する現代文の解き方
王道は英語・数学を早期に固めて後半に理科・社会
難関大学に合格する王道パターンは英語・数学から受験することです(早稲田の文系であれば英語から勉強)。
この理由はいくつかありますが、主に以下のような理由です。
②伸びるのに時間がかかる(1回できるようになればその分リードしている)
③後半に暗記の要素が強い理科・社会に時間をかけられる
受験では早期に暗記科目に時間をかけて、他の科目に時間をかけるとその間に忘れてしまう…という現象が起きます。
英語・数学は単純な暗記より覚えたことを使って思考するという事がメインになりますので、一度覚えてしまえば問題演習で思考すれば記憶が維持できます。
そして受験が近づくほど暗記科目に時間をかけて、記憶が鮮明なうちに受験!というのが大学入試では一番合格する可能性が高いのです。
2科目突破法では日本史の勉強から始める
しかし私の場合はこのセオリーを無視して、まずは日本史に時間をかけて勉強をしました。
これはなぜかというと自分の勉強法に自信を持ちたかったからです。
私は高校生活の大部分を超低空飛行の成績で過ごしましたので、きちんと立てた戦略とはいえ、本当にこれで大丈夫か?という疑問はありました。
日本史の場合は、特定の時代を勉強すれば、その時代の問題を解く事ができるようになります。
早稲田大学の場合、それほど古代は出ませんので、古代はやや軽めにして、中世、近世と夏休みを活かして学習を進めていきました。
すると8月末に受けた模試で、日本史だけは偏差値70を超えました。
点数では9割!これだけの成績を取る事が出来たのは高校生活では初めてであり、鳥肌が立ちました。
受けた模試がセンター型の模試で基礎的な問題ばかり出る、そして範囲も私が勉強したところばかりという恵まれた条件が重なりましたが、何はともあれ自分の立てた戦略に自信を持てました。
これが英語中心の学習でしたら、ここまで目に見えた伸びは実感出来なかったと思います。
人間は感情の生き物ですので、何か1つでもいいので、自分の自信になるものがあれば頑張る事ができます。
型が身についてきた現代文、英語にも良い影響が!
次に攻略したのは現代文でした。
この理由は現代文の勉強をしているうちに、現代文の解き方のコツを掴めるようになっていたからです。
偏差値40から本番では満点に!?早稲田逆転合格を実現する現代文の解き方
調子のいいうちに読解の型を作ってしまおう、そうすれば後々学習時間を他の科目に割けるようになるだろうと考えていました。
日本史で偏差値70を超えたのと同じ模試で現代文・評論は満点でした。
『読解の型』が確実に自分のものにもなってきたのです。
ただ当然といえば当然ですが、英語、現代文・小説、古典は大コケ、というよりいつも通りの低空飛行でした。
ただ英語には変化がありました。
少しずつですが、分かる単語が増えており、長文が読めるようになってきたのです。
英語の長文=英語で書かれた評論文です。しかも国語よりは簡単な文章です。
先に現代文で読解の型を作れるようになってきていましたが、それが英語の成績向上にも確実につながっているという実感を持てるようになりました。
科目の優先順位がつけられれば、あとはどのように勉強していくか?なのですが、学習計画の立て方にもコツがあります。
早稲田逆転合格のための学習計画の立て方
自分が1時間でどれくらいの量を学習できるかを把握する
学習計画でまず重要になるのは、自分が1時間でどれくらいの学習量ができるかです。
つまり勉強で重要なのは○○時間勉強した!という時間単位ではなく、問題数・ページ数・ 英単語を100個覚えるなどとった具体的な学習量です。
さらにいってしまえば、そのうちどのくらい自分のものになったのかという定着量がポイントになります。
定着量=学習量×定着率でしかありませんので、定着量を最大化するためには学習量・定着率をそれぞれ最大化させる必要があります。
『自分には■時間あるから▲の量ができる、だから○をするためには~が必要』という具体的な事が考えられます。
学習計画の単位は『1週間』をベースで考える
1か月あれば科目によっては、問題集を1冊全部解くなどかなりの事ができるようになります。
そのため1か月単位では英語強化月間!のように大まかな学習計画は立てる事ができるのですが、期間が長いので何を・どれくらいする?という量単位の計画はやや立てづらい所があります。
また軌道修正がしづらいという点もありますので、1か月はあくまで大枠で何をするか?くらいの計画を立てることにとどめましょう。
では1日単位では? というと、これを推奨する人もいますが、個人的には1日単位の学習計画まで立てられるのか?という疑問(またそれが効率的なのかも含めて)があります。
そこで私がおススメするのは1週間単位で学習計画を立てることです。
特に学校がある現役生は、学校の授業と自分の勉強をどのようにするか?は週単位だと計画しやすくなります。
例えば月曜日は英語の問題演習→解き直し+α、火曜日は日本史の問題演習→解き直し+αと一定のリズムで契約を立てられます。
学習計画の注意点・計画は80%で入れておく
学習計画を立てている時はあれもやろう、これもやろうと非常に楽しくなってしまう場合があります。
しかしそういう場合こそ注意が必要です。
自分が常に100パーセント出来る状態で物事を考えてしまいがちですが、実際には思ったより時間がかかったり、体調を崩してしまったりという事が多々あります。
そういった事をあらかじめ想定して、学習計画は余裕を持って作り、何かあった時には調整ができるようにしておきます。
上手いこと進んでいけばそれは儲けもので、やる事はたくさんあるはずですから、それを前倒ししてドンドン進めればいいだけです。
学習計画は合格を左右する非常に大切なものです。
そして1日でも早く始めれば、より合格の可能性は上がりますので、参考にできる部分を参考にしてください。
まとめ
2科目突破法であれば、受験本番まで8か月、偏差値を30上げて早稲田に合格することは可能です。
2科目突破法は、早稲田大学の入試の仕組みや各科目の特徴などから逆算して編み出した学習方法(戦略)です。
そして戦略を立てるだけでは合格しませんので、学習計画を立てる、学習環境を整えるなどが必要になります。
ただ人によって状況は異なりますので、まずは自分の状況をノートに書くなどして、客観的に自分を把握することから始めてください。
戦略の立て方については以下のブログでも取り上げましたので、参考にしてください。