宅建独学合格対策!オリジナル判決文問題 ③使用者責任

宅建に独学合格

オリジナル判決文の3回目です。

判決文の解き方についてはこちらを参考にしてください。


1~2回目をまだ解いていない方は是非こちらからご覧ください。

宅建独学合格対策!オリジナル判決文問題 ①相続

宅建独学合格対策!オリジナル判決文問題 ②抵当権


問題

1から4までの記述のうち、下記判決文によれば、誤っているものはどれか。

(判決文)

民法715条1項が規定する使用者責任は,使用者が被用者の活動によって利益を上げる関係にあることや,自己の事業範囲を拡張して第三者に損害を生じさせる危険を増大させていることに着目し,損害の公平な分担という見地から,その事業の執行について被用者が第三者に加えた損害を使用者に負担させることとしたものである。このような使用者責任の趣旨からすれば,使用者は,その事業の執行により損害を被った第三者に対する関係において損害賠償義務を負うのみならず,被用者との関係においても,損害の全部又は一部について負担すべき場合があると解すべきである。また,使用者が第三者に対して使用者責任に基づく損害賠償義務を履行した場合には,使用者は,その事業の性格,規模,施設の状況,被用者の業務の内容,労働条件,勤務態度,加害行為の態様,加害行為の予防又は損失の分散についての使用者の配慮の程度その他諸般の事情に照らし,損害の公平な分担という見地から信義則上相当と認められる限度において,被用者に対して求償することができると解すべきところ,上記の場合と被用者が第三者の被った損害を賠償した場合とで,使用者の損害の負担について異なる結果となることは相当でない。以上によれば,被用者が使用者の事業の執行について第三者に損害を加え,その損害を賠償した場合には,被用者は,上記諸般の事情に照らし,損害の公平な分担という見地から相当と認められる額について,使用者に対して求償することができるものと解すべきである。


1 被用者が使用者の事業の執行について第三者に損害を加えた場合には,被用者は使用者に対して求償することができない。 

2  使用者が第三者に対して使用者責任に基づく損害賠償義務を履行した場合には,使用者は被用者に対して求償することができる

3  使用者責任は,使用者が被用者の活動によって利益を上げる関係にあることなど着目し,その事業の執行について被用者が第三者に加えた損害を使用者に負担させることとしたものである。

4  使用者は,その事業の執行により損害を被った第三者に対する関係において損害賠償義務を負うのみならず,被用者との関係においても,損害の全部又は一部について負担すべき場合がある


基本知識


使用者責任に関する問題ですので、まずは基本的な考え方をおさえましょう。


使用者責任とは、被用者(従業員など)が仕事を行っている時に、第三者に損害を加えた場合、使用者も被用者と同様の不法行為責任を追うことです。

被害者の立場になれば、従業員である被用者より、雇用している使用者(資本力がある)からの方がとりっぱぐれが無い…ということですが、被害者は、使用者にも被用者にも損害賠償を全額請求することができます。


使用者と被用者の賠償責任は不真正連帯で、弁済などの事由を除けば、他方に影響を与えません。

そして使用者責任の成立要件は3つあります。



1点目は、使用者と被用者の間に使用関係があることです。これは契約関係まで必要なわけではなく、実質的な指揮監督関係があればいいとされています。



2点目は被用者について不法行為が成立していることです。ようは被用者の故意又は過失による加害行為によって損害を与えられたということです。


3点目は、加害行為が「事業の執行について」なされることで、被用者の職務の範囲内の行為に属すると認められるものを指します。プライベートでの社用車運転中の交通事故や、通勤時間中の交通事故、飲み会などの暴力沙汰なども使用者責任を問われる可能性がある…ということです。

ただし、被用者が職務の範囲内の行為ではないことについて、悪意又は重大な過失がある場合は使用者責任は成立しません。



ここまで使用者責任の成立要件を見てきましたが、使用者が被用者の選任及びその事業の監督について相当の注意をしたときは免責されることも合わせて覚えておきましょう。


解答解説


知識がなくても本文が正確に読めれば解ける問題です。判決文は難しい印象がありますが、そのまま解けるケースもありますので、食わず嫌いにならないためにも数をこなして慣れていきましょう。


1 被用者が使用者の事業の執行について第三者に損害を加えた場合には,被用者は使用者に対して求償することができない。  → ×


民法715条1項が規定する使用者責任は,使用者が被用者の活動によって利益を上げる関係にあることや,自己の事業範囲を拡張して第三者に損害を生じさせる危険を増大させていることに着目し,損害の公平な分担という見地から,その事業の執行について被用者が第三者に加えた損害を使用者に負担させることとしたものである。このような使用者責任の趣旨からすれば,使用者は,その事業の執行により損害を被った第三者に対する関係において損害賠償義務を負うのみならず,被用者との関係においても,損害の全部又は一部について負担すべき場合があると解すべきである。また,使用者が第三者に対して使用者責任に基づく損害賠償義務を履行した場合には,使用者は,その事業の性格,規模,施設の状況,被用者の業務の内容,労働条件,勤務態度,加害行為の態様,加害行為の予防又は損失の分散についての使用者の配慮の程度その他諸般の事情に照らし,損害の公平な分担という見地から信義則上相当と認められる限度において,被用者に対して求償することができると解すべきところ,上記の場合と被用者が第三者の被った損害を賠償した場合とで,使用者の損害の負担について異なる結果となることは相当でない。以上によれば,被用者が使用者の事業の執行について第三者に損害を加え,その損害を賠償した場合には,被用者は,上記諸般の事情に照らし,損害の公平な分担という見地から相当と認められる額について,使用者に対して求償することができるものと解すべきである。




上記のように本文は真逆の内容が書かれていますので、この選択肢は誤っています。よってこれが正解の選択肢です。


2  使用者が第三者に対して使用者責任に基づく損害賠償義務を履行した場合には,使用者は被用者に対して求償することができる  → 


民法715条1項が規定する使用者責任は,使用者が被用者の活動によって利益を上げる関係にあることや,自己の事業範囲を拡張して第三者に損害を生じさせる危険を増大させていることに着目し,損害の公平な分担という見地から,その事業の執行について被用者が第三者に加えた損害を使用者に負担させることとしたものである。このような使用者責任の趣旨からすれば,使用者は,その事業の執行により損害を被った第三者に対する関係において損害賠償義務を負うのみならず,被用者との関係においても,損害の全部又は一部について負担すべき場合があると解すべきである。また,使用者が第三者に対して使用者責任に基づく損害賠償義務を履行した場合には,使用者は,その事業の性格,規模,施設の状況,被用者の業務の内容,労働条件,勤務態度,加害行為の態様,加害行為の予防又は損失の分散についての使用者の配慮の程度その他諸般の事情に照らし,損害の公平な分担という見地から信義則上相当と認められる限度において,被用者に対して求償することができると解すべきところ,上記の場合と被用者が第三者の被った損害を賠償した場合とで,使用者の損害の負担について異なる結果となることは相当でない。以上によれば,被用者が使用者の事業の執行について第三者に損害を加え,その損害を賠償した場合には,被用者は,上記諸般の事情に照らし,損害の公平な分担という見地から相当と認められる額について,使用者に対して求償することができるものと解すべきである。

上記のように本文に書いてありますので、これは正しい内容です。


3  使用者責任は,使用者が被用者の活動によって利益を上げる関係にあることなど着目し,その事業の執行について被用者が第三者に加えた損害を使用者に負担させることとしたものである。  → 


民法715条1項が規定する使用者責任は,使用者が被用者の活動によって利益を上げる関係にあることや,自己の事業範囲を拡張して第三者に損害を生じさせる危険を増大させていることに着目し,損害の公平な分担という見地から,その事業の執行について被用者が第三者に加えた損害を使用者に負担させることとしたものである。このような使用者責任の趣旨からすれば,使用者は,その事業の執行により損害を被った第三者に対する関係において損害賠償義務を負うのみならず,被用者との関係においても,損害の全部又は一部について負担すべき場合があると解すべきである。また,使用者が第三者に対して使用者責任に基づく損害賠償義務を履行した場合には,使用者は,その事業の性格,規模,施設の状況,被用者の業務の内容,労働条件,勤務態度,加害行為の態様,加害行為の予防又は損失の分散についての使用者の配慮の程度その他諸般の事情に照らし,損害の公平な分担という見地から信義則上相当と認められる限度において,被用者に対して求償することができると解すべきところ,上記の場合と被用者が第三者の被った損害を賠償した場合とで,使用者の損害の負担について異なる結果となることは相当でない。以上によれば,被用者が使用者の事業の執行について第三者に損害を加え,その損害を賠償した場合には,被用者は,上記諸般の事情に照らし,損害の公平な分担という見地から相当と認められる額について,使用者に対して求償することができるものと解すべきである。

上記のように本文に書いてありますので、これは正しい内容です。


4  使用者は,その事業の執行により損害を被った第三者に対する関係において損害賠償義務を負うのみならず,被用者との関係においても,損害の全部又は一部について負担すべき場合がある  → 


民法715条1項が規定する使用者責任は,使用者が被用者の活動によって利益を上げる関係にあることや,自己の事業範囲を拡張して第三者に損害を生じさせる危険を増大させていることに着目し,損害の公平な分担という見地から,その事業の執行について被用者が第三者に加えた損害を使用者に負担させることとしたものである。このような使用者責任の趣旨からすれば,使用者は,その事業の執行により損害を被った第三者に対する関係において損害賠償義務を負うのみならず,被用者との関係においても,損害の全部又は一部について負担すべき場合があると解すべきである。また,使用者が第三者に対して使用者責任に基づく損害賠償義務を履行した場合には,使用者は,その事業の性格,規模,施設の状況,被用者の業務の内容,労働条件,勤務態度,加害行為の態様,加害行為の予防又は損失の分散についての使用者の配慮の程度その他諸般の事情に照らし,損害の公平な分担という見地から信義則上相当と認められる限度において,被用者に対して求償することができると解すべきところ,上記の場合と被用者が第三者の被った損害を賠償した場合とで,使用者の損害の負担について異なる結果となることは相当でない。以上によれば,被用者が使用者の事業の執行について第三者に損害を加え,その損害を賠償した場合には,被用者は,上記諸般の事情に照らし,損害の公平な分担という見地から相当と認められる額について,使用者に対して求償することができるものと解すべきである。

上記のように本文に書いてありますので、これは正しい内容です。



こういう問題はチャンス問題ですので、ややこしい書かれ方をしている文章から適切に内容を読み切れば、確実に正解できますので、慣れていきましょう。



今回もお読み頂きありがとうございました。

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