あと1点で宅建に受からない① 5問免除無し
実力不足だと5問免除範囲で失点
令和元年の宅建であれば合格点は35点、つまり34点の受験生は1点足りずに不合格だったわけですが、こういう受験生は何ができずに不合格になったのか?これを知ることで宅建の合格率を上げることにつながります。
今年私が指導にあたった受験生で、34点だったのは約5%なのですが、その半分の受験生が5問免除を取らずに宅建を受験しました。
そして5問免除を取らなかった受験生は、全員1問はとりこぼししており、中には2問不正解だった受験生がいました。
間違えると可能性があるのは、問47だけかなと考えてしまいますが、問49の土地の問題など意外なところで落としています。
というより合格した受験生であれば、5問免除範囲なら全問正解して当たり前という意識があると思います。
実はこれこそが1点差で落ちた受験生の特徴、つまり本質的には実力不足という事です。
5問免除は受けよう
今年5問免除者の合格率は22.9%でしたが、私の周りでも合格点付近(35点、36点)で合格した受験生は、全員5問免除を受けていました。
正直なところ、合格ラインギリギリ合格・不合格の受験生は実力的には大して変わりません。
5問免除を受けてギリギリ合格ライン到達の受験生が、仮に5問免除を受けていなかった場合には不合格だった!というケースは充分にあり得ます。
5問免除があれば5点が確定している!というのが本番では大きく、落ちた受験生はみんな「なぜ取らなかった」と後悔しています。
しかしそれでも翌年になると、その悔しさを忘れ5点免除を受けない受験生が多く、2年連続で1点差で不合格というケースも過去にはありました。
5問免除を受けるためには、時間やお金は余計にかかりますが、翌年以降にまた勉強時間やテキスト購入・受験料をかけると考えた時には、費用対効果は高いと考えます。
あと1点で宅建に受からない② 途中で選択肢を変更して不正解
本質的には実力不足だと考える
次に宅建に受からない受験生のパターンですが、最初は正しい選択肢を選んでいたのに、見直しのタイミングで答えを変えて不正解になったケースです。
確かにこれも惜しいといえば、惜しいのかもしれませんが、そうともいい切れない理由があります。
なぜかといえば、こういう問題は、2択までは多くの受験生が絞れている場合がほとんどです。
そして合格者はこういった問題で、正解の選択肢を見抜いているからこそ合格しています。
つまり答えを変えたから不合格というのは、実力的には一歩足りない可能性があります。
それを理解せずに、ほぼ合格だったから来年も同じように勉強しよう!という受験生が、毎年あと一歩受からずに不合格の回数を更新していきます。
例えば以下のような問題です。
1.居住用超高層建築物(いわゆるタワーマンション)に対して課する固定資産税は、当該居住用超高層建築物に係る固定資産税額を、各専有部分の取引価格の当該居住用超高層建築物の全ての専有部分の取引価格の合計額に対する割合により按分した額を、各専有部分の所有者に対して課する。 2.住宅用地のうち、小規模住宅用地に対して課する固定資産税の課税標準は、当該小規模住宅用地に係る固定資産税の課税標準となるべき価格の3分の1の額とされている。 3.固定資産税の納期は、他の税目の納期と重複しないようにとの配慮から、4月、7月、12月、2月と定められており、市町村はこれと異なる納期を定めることはできない。 4.固定資産税は、固定資産の所有者に対して課されるが、質権又は100年より永い存続期間の定めのある地上権が設定されている土地については、所有者ではなくその質権者又は地上権者が固定資産税の納税義務者となる。
正解の選択肢は4なのですが、苦手とする受験生も多い分野で他の選択肢を選ぶことも考えられます。
そこで最初は4を選んでいたけど、他の選択肢にして不正解というケースがありました。
このように最後の最後で変更するというのは、知識不足と思い、同じことを繰り返さないためにも、あと一歩を抜ける勉強をしましょう。
受からない受験生③ 問題を正しく読めなかった
正しいものを選ぶ?間違っているものを選ぶ?
これは前の2つのケースとは違い、後悔が強く残るパターンです。
例えば正しい選択肢を選ぶのに、誤っているものを選んでしまう場合です。
実際に真逆の対応、正しいものを選ぶのに誤ったものを選ぶというミスが起きるケースを考えてみましょう。
最初の選択肢だけを見て判断している
普通は選択肢に正誤判定をしているうちに、気がつきます。
これは当たり前で誤っているものを選ぶ問題なのに(と本人が思い込んでいるだけで、実は正しい問題)誤っている内容が書かれた選択肢が複数あるので、おかしいなぁとなります。
しかし全部の選択肢を読まず、1つ目の選択肢だけを読んで判断した場合は、こういうケースが起きます。
基本的に、選択肢を全部読む事を勧めているのにはそういう理由もありますが、そういった状況は個数問題でも起き得ます。
個数問題での読み違え
宅地建物取引業者Aが、BからB所有の既存のマンションの売却に係る媒介を依頼され、Bと専任媒介契約(専属専任媒介契約ではないものとする。)を締結した。この場合における次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはいくつあるか。
ア. Aは、専任媒介契約の締結の日から7日以内に所定の事項を指定流通機構に登録しなければならないが、その期間の計算については、休業日数を算入しなければならない。 イ. AがBとの間で有効期間を6月とする専任媒介契約を締結した場合、その媒介契約は無効となる。 ウ. Bが宅地建物取引業者である場合、Aは、当該専任媒介契約に係る業務の処理状況の報告をする必要はない。 エ. AがBに対して建物状況調査を実施する者のあっせんを行う場合、建物状況調査を実施する者は建築士法第2条第1項に規定する建築士であって国土交通大臣が定める講習を修了した者でなければならない。
1.一つ 2.二つ 3.三つ 4.四つ
この問題は、正しいものがいくつあるかを選ぶ問題ですが、これを誤っているものがいくつあるかと誤読したとします。
そして不幸にも、全部の選択肢が誤っていると判断してしまったとします。
もし問題をきちんと読んでいて、正しいものがいくつあるかを選ぶ問題として解いていれば、全部誤っている=正しい選択肢がないので、おかしい事に気がつきます。
しかし誤っている選択肢の個数を選ぶ問題と誤読している場合、全部誤っている=誤っている選択肢は4つですので、選択肢4を選んでしまいます。
実際には選択肢エだけは正しい事が書かれていますので、正解は正しいものは1つの選択肢1が正解の選択肢になります。
ただしこれも全ての選択肢の正誤判断ができていないから起こるミスですので、あと一歩を抜ける知識を身につけましょう。