譲渡制限特約があっても譲渡可能
債権譲渡は過去10年で4回出題されています。
改正点もですが、この範囲でポイントとなるところについても取り上げていきます。
債権譲渡とは??
債権譲渡とは、読んで字のごとくですが、ある人に対する債権を他の人に譲渡する事です。
そしてこれはすでに発生している債権のみならず、将来発生する債権であっても、発生原因や金額などで具体的に特定ができれば譲渡する事ができます。
債権譲渡制限の特約
そして債権者と債務者で、債権譲渡を制限する特約を設けることができるのですが、改正前の民法では、この譲渡制限の特約に反する行為は無効になりました。
それが民法が改正されたことで、特約があったとしても債権の譲渡は有効になりました。
ただし、譲渡された債権者のことも考えてあげる必要がありますので、債務者は、譲渡制限の意思表示について悪意または重過失の譲受人その他の第三者に対して、債務の履行を拒むことが認められています。
条文を確認しましょう
念のため、条文も記載しておきますので必要に応じてご確認ください。
改正前【債権の譲渡性】第466条
2 前項の規定は、当事者が反対の意思を表示した場合には、適用しない。ただし、その意思表示は、善意の第三者に対抗することができない。
改正後【債権の譲渡性】第466条
2 当事者が債権の譲渡を禁止し、又は制限する旨の意思表示(以下「譲渡制限の意思表示」という。)をしたときであっても、債権の譲渡は、その効力を妨げられない。
3 前項に規定する場合には、譲渡制限の意思表示がされたことを知り、又は重大な過失によって知らなかった譲受人その他の第三者に対しては、債務者は、その債務の履行を拒むことができ、かつ、譲渡人に対する弁済その他の債務を消滅させる事由をもってその第三者に対抗することができる。
4 前項の規定は、債務者が債務を履行しない場合において、同項に規定する第三者が相当の期間を定めて譲渡人への履行の催告をし、その期間内に履行がないときは、その債務者については、適用しない。
改正点は以上なのですが、せっかくですので、債権譲渡で覚える必要があるところものせておきます。
債権を譲り受けた事を主張するためには??
債権譲渡は債務者の知らないところで、譲渡人と譲受人の間で行われるため、債務者はこの双方に二重で支払うリスクがあります。
そこで譲受人が債務者に対して債権の譲渡を主張するには、①債権者からの通知(譲受人ではありません)もしくは、②債務者からの承諾(譲渡人・譲受人のどちらに行ってもOK)のどちらかが必要です。
二重譲渡の優劣はどうつける??
ではイラストのように債権が二重譲渡された場合、どのように優劣をつけるのか?という点をおさえていきましょう。
まずは債権譲渡の通知または承諾が、確定日付のある証書かどうか?で決まり、このイラストのように確定日付があるものが優先されます。
ぶっちゃけ、旧債権者(譲渡人)と債務者が組めば、日付はごまかすことができます。
確定日付とは、その当日現在、その文書が存在していたことを証明するためのものですので、こちらの方が強い!と覚えておきましょう。
では双方に確定日付がある場合は、どちらが優先されるかといえば、債務者に先に到達した方(または先に債務者が承諾した方)が優先されます。
ややこしいのですが、イラストにもあるように確定日付の先後ではありません。
はじめて勉強する人であれば、改正点も通常の学習同様行いますので、あわせてお読み頂ければと思います。
今回もお読み頂きありがとうございました。
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