民法改正で相対効になったものがある
今回は連帯債務を取り上げます。
はじめて宅建を受験する方はそのまま覚えればいいのですが、結構ばっちり覚えてしまっている方は、新しく覚え直す必要があるな…という内容になります。
そもそも連帯債務とは?というところから説明をする必要があるかと思いますので、今回はそこからスタートします。
連帯債務とは??
AとBがCから2,000万円の別荘を共同購入したとします。
この場合、債権者Cは購入者であるAとBのどちらにも購入額の2,000万円を請求する事ができます。
おいおい、2,000万円を2人で割れば、1人に対しては1,000万円の請求だろ!という話になりそうですが、以下のイラストのように片方が債務を履行しなければ、債権者Cは半分しか回収できないことになります。
こうしたリスクを回避するために、債権者Cは両方に対して2,000万円全額請求をすることができます。
このように数人の債務者が連帯して、全額の支払い義務を負う債務を連帯債務といいます。
相対効と絶対効
そしてこの連帯債務で覚えておく必要があるのは、誰か1人が何かをした場合、他の連帯債務者に影響があるのか?ないのか?という点です。
まずは連帯債務者の1人に生じた事由が、他の連帯債務者に効力を及ばさない(他の人に影響しない)、これを相対効と言います。
これに対して、連帯債務者の1人に生じた事由が、他の連帯債務者に効力を及ぼす(他の人全員に影響する) 、これを絶対効と言います。
原則は相対効
イラストにもありますが、法律上の原則は相対効です。
これは普通に考えると当たり前で、Aだけに対しておこなった法律行為がBに影響がない…というのが普通の感覚ではないでしょうか。
そのため、民法改正により、請求・時効の完成・免除は相対効になりました(私が宅建の勉強をしていた頃は絶対効として覚えました)。
ここが改正点で、狙われる可能性がありますので、必ずおさえておきましょう。
例外としての絶対効
先ほどの相対効の例外となるのが、絶対効です。
そして試験は例外の方(特徴があるという意味で)が狙われるものですので、こちらの内容については必ず覚えましょう。
絶対効になるケースは以下の4つです。
まずは履行(弁済)です、債務者の一人が履行すれば、同時に他の債務者の債務も消滅します。
2点目は更改(こうかい)です。
プロ野球選手の契約更改…などの場面で使われますが、 新しい債務を成立させ、以前の債務を消滅させることで、同時に他の債務者の債務も消滅します。
3点目は相殺で、お互いが相手に対して持っている債権を消滅させることで、同時に他の債務者の債務も消滅します。
最後は混同で、(相続などで)債権者と債務者の地位が同じ人に帰属することで、同時に他の債務者の債務も消滅します。
絶対効の覚え方
絶対効以外は相対効ですので、イラストにあるように特徴がある方を覚えておきましょう。
理想が高くてフラれ続けている…というような場面でしょうか。
人によっていい覚え方はあると思いますので、自分の覚えやすい覚え方で覚えて頂ければと思います。
今回もお読み頂きありがとうございました。
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