30分で1点!宅建の問45・住宅瑕疵担保履行法を攻略する

宅建に独学合格

こんにちは坂上です。

宅建の独学合格、そのノウハウを毎年宅建受験生にお伝えしています。

宅建はちょっと勉強をするだけで1点取れる単元もあり、残り時間が少ない中ではこういったところをおさえるのがコスパが良いです。

問45~問50はここ数年毎年同じ構成になっており問45は住宅瑕疵担保履行法です。

この単元の範囲は5つのポイントを覚えるだけで、ほぼ点数を取ることができます(私もほとんど勉強をした記憶がありません)。


①法律の対象者は宅建業者・建設業者で、対象取引は宅建業者が自ら売主となり、非宅建業者が買主となる取引(契約締結までに説明)

基準日ごとに、資力保全措置の状況について、基準日ごとに免許権者に届け出る必要がある(基準日から3週間以内に免許権者に届け出)

③届出をしなければ、当該基準日の翌日から起算して50日を経過した日以後は、新たに自ら売主となる新築住宅の売買契約を締結することができない

④担保責任の範囲とは、住宅の構造耐力上主要な部分等及び雨水の浸入に影響がある部分

床面積が55㎡以下であるときは、新築住宅では2戸で1戸と数える

住宅瑕疵担保履行法とは何か?




簡単に言えば、新築住宅に何かあった時のために、関係業者は支払い能力を確保しておけ!という事です。


なぜこのような法律があるかと言えば、物件に何か問題(瑕疵)があった場合、新築住宅を提供した業者には賠償などの責任が生じます。


しかし、仮に業者が倒産していた場合、買主は救われません。


そのような大きなリスクがあれば、住宅を買おう!という人も減ってしまいます。


そこで確実に瑕疵の担保を履行してもらうために制定されたのが、住宅瑕疵担保履行法なのです。


この要するに何なんだ!という事と、何のためにあるのか?という点をおさえることが勉強においては重要になります。



問題を解く中で論点をおさえよう①





平成30年・問45


特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律に基づく住宅販売瑕疵担保保証金の供託又は住宅販売瑕疵担保責任保険契約の締結に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。


1.宅地建物取引業者は、自ら売主として新築住宅を販売する場合及び新築住宅の売買の媒介をする場合において、住宅販売瑕疵担保保証金の供託又は住宅販売瑕疵担保責任保険契約の締結を行う義務を負う。


2.自ら売主として新築住宅を宅地建物取引業者でない買主に引き渡した宅地建物取引業者は、その住宅を引き渡した日から3週間以内に、住宅販売瑕疵担保保証金の供託又は住宅販売瑕疵担保責任保険契約の締結の状況について、宅地建物取引業の免許を受けた国土交通大臣又は都道府県知事に届け出なければならない。


3.自ら売主として新築住宅を宅地建物取引業者でない買主に引き渡した宅地建物取引業者は、基準日に係る住宅販売瑕疵担保保証金の供託及び住宅販売瑕疵担保責任保険契約の締結の状況について届出をしなければ、当該基準日の翌日から起算して50日を経過した日以後においては、新たに自ら売主となる新築住宅の売買契約を締結することができない。


4.住宅販売瑕疵担保責任保険契約を締結している宅地建物取引業者は、当該住宅を引き渡した時から10年間、住宅の構造耐力上主要な部分の瑕疵によって生じた損害についてのみ保険金を請求することができる。



さあ、どうでしょうか?


解説をしていく中で、おさえるべき論点を説明していきます。



選択肢1・対象取引は自ら売主の場合




1.宅地建物取引業者は、自ら売主として新築住宅を販売する場合及び新築住宅の売買の媒介をする場合において、住宅販売瑕疵担保保証金の供託又は住宅販売瑕疵担保責任保険契約の締結を行う義務を負う。  


法律の対象者は宅建業者・建設業者で、対象取引は宅建業者が自ら売主となり、非宅建業者が買主となる取引です。


よって売買の媒介をする場合は対象になりませんので、誤りです。


よくよく考えると分かるのですが、仲介でも保証の義務を負うというのは責任が重すぎます。


そのような状況であれば、不動産を仲介する会社は激減すると思いますので、不動産の流通が進まなくなる・・・と考えれば分かりやすいです。


この対象になるのは、業者自ら売主、新築住宅、買主が非宅建業者というのは超・重要論点です。


選択肢2・基準日ごとに届け出が必要




2.自ら売主として新築住宅を宅地建物取引業者でない買主に引き渡した宅地建物取引業者は、その住宅を引き渡した日から3週間以内に、住宅販売瑕疵担保保証金の供託又は住宅販売瑕疵担保責任保険契約の締結の状況について、宅地建物取引業の免許を受けた国土交通大臣又は都道府県知事に届け出なければならない。


新築住宅を引き渡した宅建業者は、年2回の基準日(毎年3月31日と9月30日)ごとに、講じた資力保全措置の状況について、基準日から3週間以内に免許権者に届け出る必要があります。

引き渡し日ではありませんので、誤りです。


この年2回の基準日ごとに、資力保全措置の状況について、基準日とに免許権者に届け出る必要があるというのは超・重要論点です。


選択肢3・届け出をしなければ新たな契約は不可




3.自ら売主として新築住宅を宅地建物取引業者でない買主に引き渡した宅地建物取引業者は、基準日に係る住宅販売瑕疵担保保証金の供託及び住宅販売瑕疵担保責任保険契約の締結の状況について届出をしなければ、当該基準日の翌日から起算して50日を経過した日以後においては、新たに自ら売主となる新築住宅の売買契約を締結することができない。


これが正解です。


長々と書いてありますが、届出をしなければ、当該基準日の翌日から起算して50日を経過した日以後は、新たに自ら売主となる新築住宅の売買契約を締結することができない 。


この太字の部分が超・重要論点ですので、覚えましょう。


選択肢4・担保責任の範囲




4.住宅販売瑕疵担保責任保険契約を締結している宅地建物取引業者は、当該住宅を引き渡した時から10年間、住宅の構造耐力上主要な部分の瑕疵によって生じた損害についてのみ保険金を請求することができる。



担保責任の範囲とは、住宅の構造耐力上主要な部分等及び雨水の浸入に影響がある部分です。

この太字の部分が超・重要論点ですので、覚えましょう。  


問題を解く中で論点をおさえよう②




もう1年分問題を見れば、ほぼ重要な論点については終わりになります。


平成29年・問45


宅地建物取引業者Aが自ら売主として、宅地建物取引業者でない買主Bに新築住宅を販売する場合における次の記述のうち、特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律の規定によれば、正しいものはどれか。


1.Aは、住宅販売瑕疵担保保証金の供託をする場合、Bに対し、当該住宅を引き渡すまでに、供託所の所在地等について記載した書面を交付して説明しなければならない。


2.自ら売主として新築住宅をBに引き渡したAが、住宅販売瑕疵担保保証金を供託する場合、その住宅の床面積が55㎡以下であるときは、新築住宅の合計戸数の算定に当たって、床面積55㎡以下の住宅2戸をもって1戸と数えることになる。


3.Aは、基準日に係る住宅販売瑕疵担保保証金の供託及び住宅販売瑕疵担保責任保険契約の締結の状況についての届出をしなければ、当該基準日から1月を経過した日以後においては、新たに自ら売主となる新築住宅の売買契約を締結してはならない。


4.Aは、住宅販売瑕疵担保責任保険契約の締結をした場合、当該住宅を引き渡した時から10年間、当該住宅の給水設備又はガス設備の瑕疵によって生じた損害について保険金の支払を受けることができる。


さあ、どうでしょうか?


解説をしていく中で、おさえるべき論点を説明していきます。


選択肢1・供託の説明は書面を交付、契約までに




1.Aは、住宅販売瑕疵担保保証金の供託をする場合、Bに対し、当該住宅を引き渡すまでに、供託所の所在地等について記載した書面を交付して説明しなければならない。


イメージは重要事項説明と同じです。

引き渡すまでにではなく、売買契約を締結するまでに、供託所の所在地等について記載した書面を交付して説明する必要があるので、誤りです。

この太字の部分が超・重要論点ですので、覚えましょう。  


選択肢2・床面積55㎡以下は2戸で1戸と数える




2.自ら売主として新築住宅をBに引き渡したAが、住宅販売瑕疵担保保証金を供託する場合、その住宅の床面積が55㎡以下であるときは、新築住宅の合計戸数の算定に当たって、床面積55㎡以下の住宅2戸をもって1戸と数えることになる。


これが正解です。 


書いてある通りなのですが、 床面積が55㎡以下であるときは、新築住宅では2戸をもって1戸と数えます。

この太字の部分が超・重要論点ですので、覚えましょう。
 

未満ではなく以下!というところまで含めて覚えましょう。


選択肢3・ 届け出をしなければ新たな契約は不可




3.Aは、基準日に係る住宅販売瑕疵担保保証金の供託及び住宅販売瑕疵担保責任保険契約の締結の状況についての届出をしなければ、当該基準日から1月を経過した日以後においては、新たに自ら売主となる新築住宅の売買契約を締結してはならない。


はい、平成30年の選択肢3と論点は同じです(だから画像も同じです)。


届出をしなければ、当該基準日の翌日から起算して50日を経過した日以後は、新たに自ら売主となる新築住宅の売買契約を締結することができないので、誤りです。


選択肢4・担保責任の範囲




4.Aは、住宅販売瑕疵担保責任保険契約の締結をした場合、当該住宅を引き渡した時から10年間、当該住宅の給水設備又はガス設備の瑕疵によって生じた損害について保険金の支払を受けることができる。 
 

平成30年の選択肢4と論点は同じです(だから画像も同じです)。


担保責任の範囲とは、住宅の構造耐力上主要な部分等及び雨水の浸入に影響がある部分ですので、誤りです。



超・重要ポイントの整理




ここまで2年分過去問を見てきましたが、超・重要ポイントは以下の5点です。

①法律の対象者は宅建業者・建設業者で、対象取引は宅建業者が自ら売主となり、非宅建業者が買主となる取引(契約締結までに説明)

基準日ごとに、資力保全措置の状況について、基準日ごとに免許権者に届け出る必要がある(基準日から3週間以内に免許権者に届け出)

③届出をしなければ、当該基準日の翌日から起算して50日を経過した日以後は、新たに自ら売主となる新築住宅の売買契約を締結することができない

④担保責任の範囲とは、住宅の構造耐力上主要な部分等及び雨水の浸入に影響がある部分

床面積が55㎡以下であるときは、新築住宅では2戸で1戸と数える




基本的な問題は、この5点をおさえておけば解く事ができます。


住宅瑕疵担保履行法は過去問が最高のテキストですので、過去問をテキスト、予想問題を問題集として活用してください。


住宅瑕疵担保履行法は正しいものを選ぶ




判決文は誤っている選択肢が正解になる問題がほとんど、という話をしました。


住宅瑕疵担保履行法は、2018年度までは全ての問題が正しいものが正解の選択肢になっていました(2019年度は誤りを選ぶ問題になりました)


選択肢を見て、5つの重要論点に誤りがあるものには×をつけて、正しい選択肢(=正解の選択肢)を見つけてください。

よく分からない範囲ですが、出題されるポイント、出題のされ方ともに限られた範囲になりますので必ず正解してください。



今回もお読み頂きありがとうございました。


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