こんにちは坂上です。
早稲田に偏差値40台から合格、それをノウハウ化して、サイドビジネスとして塾を運営しています。
低偏差値から早稲田に逆転合格するためには、やることを絞る必要があります。
早稲田大学は数学が苦手でも、さらに言えば英語が苦手でも合格できるのですが、それは国語と社会が得意であれば…という条件があります。
逆転合格には欠かせない社会の入試分析をすることで、どのように攻略していくかをご紹介します。
早稲田大学受験!選択科目はどう選ぶ?
一番選択肢が広がるのは日本史と世界史
2020年度の早稲田大学の日本史の分析をしていきますが、そもそも悩むのが早稲田を受験するうえで選択科目を何にするかです。
そこでまずは早稲田の選択科目について考えていきましょう。
以下の表は2021年度の入試で選択科目を選ぶ必要がある学部ですが、入試改革の影響で政治経済学部や国際教養学部では、学部独自の選択科目がなくなっています。
日本史B | 世界史B | 地理B | 政治経済 | 数学 | |
法学部 | ● | ● | ● | ● | ● *注 |
教育学部 | ● | ● | ● | ● | |
商学部 | ● *注 | ● *注 | ● *注 | ● *注 | |
社会科学部 | ● | ● | *注 | ● | |
文化構想学部 | ● | ● | |||
文学部 | ● | ● | |||
人間科学部 | ● | ● | *注 | ● |
【法学部】
数学を選択する受験者は、大学入試センター試験の「数学Ⅰ・数学A」「数学Ⅱ・数学B」両方の科目を受験してください。なお、大学入試センター試験「数学Ⅰ・数学A」「数学Ⅱ・数学B」両科目の合計配点(200点)を法学部の配点(40点)に調整して利用します。
【商学部】
2021年度の入試から地歴・公民型(募集人数・355名)と数学型(募集人数・150名)の入試が新設されます。
【社会科学部】
2021年度の入試から選択科目は日本史・世界史・数学になります(政経が選択不可になる)。
【人間科学部】
2021年度の入試から選択科目は日本史・世界史・数学になります(政経が選択不可になる)。
2020年度までは、早稲田は選択科目に政経がある学部が多かったのですが、社会科学部・人間科学部では選択不可になります。
政経は覚える事が少ないので、早稲田の受験を中心に考えている受験生にとってはおいしい科目だったのですが、使用できる学部が大分限られるようになりました。
限られているという点では地理も同様で、数学については苦手としているから私立文系を選んでいるという受験生が多い状況です。
となると一番選択肢が広がるのは日本史と世界史です。
基本は好きな科目を受験科目にしましょう
自分の受けたい学部で選択できる科目を選ぶのが大前提ですが、基本は好きな科目を受験科目にしましょう。
好きというのは学習の何よりのモチベーションになります。
私の場合は日本史を選択しましたが、元々この科目が好きだったこともあり、日本史の勉強は息抜きになるような時もありました。
また特に残り1年を切って逆転合格を狙う場合は、3年生の時に履修する科目を選ぶというのも1つの方法です。
逆転合格を狙う上では学校の授業をどれくらい効率的に使うか?という点も重要になります。
私の場合はこれがハマって受験勉強と学校の授業がシンクロしたので、非常に効率よく勉強ができました(自分で勉強したことを授業を使って復習する、あるいは自分が知らなった知識を追加でノートに書き込んでいく)。
ちなみに日本史の文学史は古典でも求められますので、勉強内容が他の科目にも活きる!という非常においしい勉強の仕方ができる点も付け加えておきます。
早稲田日本史攻略の基本的な考え方
基礎は絶対に落とさずに標準的な問題も全て解く
通説のように、早稲田の日本史の問題を見ると難問に目がいきがちですが、学部や年度にもよるものの、基本的な問題(頻出)や早稲田の受験生にとっては標準的(過去の早稲田の受験ではよく出ている)な問題で全体の7~8割は構成されています。
各学部の合格ラインは6~7割ですので、これらの問題を確実に取れれば合格圏に届きます。
そういった意味では基礎の徹底と早稲田特有の問題に対応できれば、日本史の対策は十分なのです。
しかし日本史で高得点を取って合格!と考えている受験生の場合は、最低でも8割以上は必要になるため、さらに突っ込んだ学習が必要になることは伝えておきますが、それでも冒頭の通説のようなところまで行う必要はありません。
そしてこの早稲田特有の問題というのは、早稲田大学の設立に関しての歴史や早稲田大学の卒業生に関するものです。
これは形を変えて何度も出題されていますので、他の大学では出ない=難問と捉えるのではなく、早稲田受験生にとっては必須の知識として必ず覚えておきましょう。
学部特有の出題形式に注意して対策を立てる
2021年度も学部で日本史が出題される学部は7学部ありますが、それぞれの学部で出題形式は様々です。
語句を記述させる問題が多いのが、法学部・文化構想学部・文学部で、これらの学部では漢字の書き間違い=失点になりますので、覚える時や問題を解く時には漢字も含めて注意が必要です。
正文・誤文を判断させる問題が多いのが、社会科学部で、人間科学部や商学部もこちらに分類されます。
この2つの形式に語句を選択問題させる問題も含めてバランスよく出題されているのが、教育学部です。
このうち正文・誤文を判断される問題が全体の問題数としては一番多いのと、これが正確にできれていれば他の2つの問題形式にも対応できる可能性が高いので、目標としては正文・誤文が判断できるように勉強をしていきましょう。
史料問題が必須
早稲田の日本史と言えば史料問題です。
特に政治経済学部はほとんどが史料問題からの出題でしたので、2021年度で政治経済学部の入試では出題されませんが、他の学部の練習として活用してください。
また史料問題は文学部・文化構想学部での出題はありませんが、他の学部では3~4割程度は出題されます。
ここまで早稲田の日本史攻略の基本的な考え方について触れてきましたので、2020年度の入試問題について、①基礎の徹底と早稲田特有の問題への対応で合格できる、②出題形式を意識する、③史料問題の3点を踏まえて紹介していきます。
【家にいながら早稲田対策!無料体験授業で過去問を使ってみよう】
2020年度入試問題分析(日本史)
法学部
①~④の史料を読んで解く問題ですので、早稲田の特徴である史料問題にあたります。
そしてこの史料の筆者は早稲田大学の卒業生として初の総理大臣である石橋湛山です。
軍国主義・専制主義・国家主義からなる大日本主義に対し、産業主義・自由主義・個人主義3つの柱とする小日本主義を主張した、そして卒業生として初の総理大臣と期待されながらも、わずか2か月で内閣が終わったことなどを背景に、入試では非常によく出題されます。
例えば2019年度の社会科学部や文学の入試でも出るなど、早稲田の入試では必須の人物ですので、必ず覚えておく必要があります。
またこの大問は小問が10問ありますが、そのうち語句を記述させる問題が3問で、 残りの7問は正文・誤文を判断させる問題です。
まさに早稲田の特徴が詰まった1問ですので、他の学部を受験する受験生でも必ず解いてほしい問題です。
文学部
赤字にしていますが、石橋湛山という名前がまた出てきました。
Dに入るのは東洋経済新報なのですが、もうこのあたりは早稲田の入試では必須であることが分かります。
そして〔 C 〕に当てはまるのは安部磯雄ですが、 東京専門学校(早稲田大学の前身)の教授であり、早稲田大学野球部初代部長です。
2016年度の法学部の入試でも出題されていますので、早稲田の入試においては必ず覚えておく必要があります。
そしてこの大問は小問10問のうち5問が語句を記述させる問題と、文学部や文化構想学部で出題される問題形式となっています。
この問題も早稲田の特徴が詰まった1問ですので、他の学部を受験する受験生でも必ず解いてほしい問題です。
人間科学部
東京専門学校は早稲田大学の前身ですので、その歴史については受験生であれば覚えておきましょう。
この1問も史料問題で出題されるなど、早稲田の特徴が詰まった1問ですので、他の学部を受験する受験生でも必ず解いてほしい問題です。
政治経済学部
この正解は人物が杉原千畝で、国名がリトアニアなのですが、この杉原千畝は早稲田大学中退です。
山川出版社の用語集によるとこの杉原千畝を掲載している日本史Bの教科書は0です(日本史Aでは3)。
通常であれば難問の部類に入るのですが、早稲田の受験生であればおさえて欲しいところです。
また同じ大問Vでは、早稲田大学出身の総理大臣である竹下登(竹下内閣)が正解の選択肢となる問題も出題されています。
このあたりは新元号・令和になってから初の入試でしたので、平成初の総理大臣として取り上げられたとの見方もできますが、平成の問題も出てきますので覚えておきましょう(ちなみに平成の元号を発表した小渕恵三官房長官も早稲田大学出身です)。
社会科学部
問9 【史料B】下線部(7)に関連する記述として、不適切なものはどれか。2つ選べ。 イ 江戸時代には、別子銅山や阿仁銅山が鉱山町を形成した。 ロ 国外への流出を防ぐため、海船互市新例により長崎貿易での輸出が禁じられた。 ハ 田沼時代には幕府による専売の対象とされた。 二 足尾銅山は、工部省発足にともない官営化され、後に古賀に払い下げられた。 ホ 足尾鉱毒事件発生当時、銅は主要な輸出品の一つであった。
史料問題であり、社会科学部の特徴である選択肢を2つ選べというのタイプの問題です。
ここで注目して欲しいのは、足尾銅山に関する選択肢が2つあることなのですが、早稲田の入試と足尾鉱毒事件・田中正造は必須です。
2012年度の法学部では、大問の史料問題が田中正造が書いた書簡・文書からのものであり、これでもか!というほど足尾鉱毒事件の内容が出題されました。
この事件に対して、安部磯雄先生が学生を連れて現地を巡回するなど、多くの早稲田の学生が問題意識を持って取り組んだことなどが背景にある(=その縁で熱心に研究している教授がいる)のでは?と推察します。
この問題も早稲田の特徴が詰まった1問ですので、他の学部を受験する受験生でも必ず解いてほしい問題です。
【家にいながら早稲田対策!無料体験授業で過去問を使ってみよう】