制限行為能力者の問題を解いてみよう
【制限行為能力者】制限行為能力者に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。
1.成年被後見人Aが、成年後見人Bの同意を得て売買契約を締結した場合、Bはその契約を取り消すことができない。
2.被保佐人Aが、保佐人Bの同意を得ないで自己所有の建物を3年間賃貸する賃貸借契約をした時は、保佐人Bはその賃貸借契約を取り消すことができる。
3.未成年者Aは、婚姻をしている時であっても、法定代理人Bの同意を得ずに行った法律行為を取り消すことができるが、単に権利を得、または義務を免れる法律行為については取り消すことができない。
4.法律行為の当事者Aが意思表示をした時に意思能力を有しなかったときは、その法律行為は、無効となる。
さあ、いかがでしょうか?解答は以下をご確認ください。
選択肢1 ×
成年被後見人Aが、成年後見人Bの同意を得て売買契約を締結した場合、Bはその契約を取り消すことができない。
成年被後見人の行った行為は、成年後見人の同意があっても取り消すことができます。この取消は成年後見人でもできますので、この選択肢は誤っています。
選択肢2 ×
被保佐人Aが、保佐人Bの同意を得ないで自己所有の建物を3年間賃貸する賃貸借契約をした時は、保佐人Bはその賃貸借契約を取り消すことができる。
被保佐人は不動産の売買や、土地について5年・建物について3年を超える賃貸借契約など法律の定める重大な行為で、保佐人の同意を得ないで行った行為は取り消すことができます。
しかし、この選択肢は建物を3年間賃貸する、とありますので、3年を超えていません(3年ぴったりは3年超ではない)。
よって賃貸借契約を取り消すことができませんので、この選択肢は誤っています。
選択肢3 ×
未成年者Aは、婚姻をしている時であっても、法定代理人Bの同意を得ずに行った法律行為を取り消すことができるが、単に権利を得、または義務を免れる法律行為については取り消すことができない。
後半の文章、単に権利を得、または義務を免れる法律行為については取り消すことができない。に目がいってしまい、正しい内容が書かれている…と判断してはいけません。
未成年者でも、婚姻した場合は成年者と同じ扱いになりますので、取り消しはできません。
よってこの選択肢は誤っています。
選択肢4 ○
法律行為の当事者Aが意思表示をした時に意思能力を有しなかったときは、その法律行為は、無効となる。
この選択肢書かれているように、意思無能力者の意思表示による法律行為は無効です。よってこの選択肢は正しい内容が書かれていますので、これが正解の選択肢です。
民法改正により、取消しではなく無効になりました。
宅建は改正点については狙われますので、必ずおさえておきましょう。
いずれも基本的な問題ですので、分からない場合は、必ず復習をしてください。
今回もお読み頂きありがとうございました。
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