宅建はイラストで分かりやすく覚えよう!③代理

宅建に独学合格

代理の範囲はこの10年で7回出題されています。

毎年のように出題されますが、基本的な内容をおさえていればほとんどの問題解けます。

権利関係は学習内容を絞って、そこは徹底的にやる!で14点のうち7点は取れますが、代理もその稼ぎところの1つです。

以前民法改正点の中で、8回に分けて取り上げましたが、そこでは取り上げなかった基本的な内容についてとりあげます。


代理の基本的な考え方


代理とは本人以外の人が、本人の代わりになって意思表示をすることで、その意思表示による法律効果を本人に生じさせる事です(他の学生に授業の出席確認をお願いする事を代返などと使いますが、変化球ではありますがこれも本人に代わって…のパターンです)。

そしてこの代理は何でもOK!というわけでななく、一定の条件が必要になります。


有効な代理行為を行うために

その条件とは以下の2点が揃ったうえで、代理行為(売買契約など)を行うことです。

①代理人が代理権を持っていること

②代理人が本人の代理人であることを相手方に明かすこと(顕名)





もし代理人が顕名をしないで代理行為を行った場合は、相手方を保護する必要があるため、原則は代理人自身が契約したものとみなされます。





ただし、相手方が代理人が本人の代理人であることを知っていた場合(悪意)や知ることができた場合(善意有過失)には、顕名をしていなくても法律の行為は本人に帰属し、有効な代理行為とされます(代理人自身が契約したものとは見なされない)。


代理行為の瑕疵


代理人が相手に対して行った意思表示が、詐欺や強迫などによって影響を受けた場合は、どうなるのか?

この場合は取り消すことができます。

では取り消すのは誰なのか、本人?代理人?これは本人が行います。

代理人が錯誤や詐欺、強迫によって契約を結んだ場合には、本人は契約を取り消すことができます。

そして代理人が虚偽表示や心裡留保によって契約を結んだ場合には、本人は契約の無効を主張することができます。

では契約の際に詐欺や強迫などがあったかどうかは、誰を基準にするのか?というとこれは代理人が基準になります。



ただ特定の法律行為をすることを委託された代理人がその行為をしたとき、本人は自ら知っていた事情について代理人が知らなかったことを主張する事ができません(本人が対象となる物件が傾いていることを知っていながら、代理人に購入を依頼したような場合、本人は相手方に損害賠償請求はできません)。

本人が過失によって知らなかった事情も同様です。

そりゃそうだ…の一言であり、特に違和感はないと思います。

ちなみに代理人が相手方に対して詐欺や強迫などを行った場合は、本人の善意・悪意に関係なく、相手方はその契約を取り消すことができます。

これも違和感はないかと思います。


任意代理と法定代理

代理権の発生の仕方には2つのパターンがあります。

1つは本人の意思によって代理権が発生する任意代理、もう1つは法律の規定による法定代理です。

そして代理権には範囲があるのですが、任意代理と法定代理ではそれぞれ異なります。不動産を買う場合であれば、どのエリア、どのくらいの予算…などが代理権の範囲ですが、任意代理は約束によって、法定代理は法律によってこの範囲が決められています。

なお代理権の範囲が定められていない場合でも、3つの行為を行うことができます。

保存行為(物の現在の状態を維持する)

物件が雨漏りをしている時に修繕を依頼するなど

利用行為(物を利用して利益をあげる行為)

空室を賃貸するなど

改良行為(物を改良して物の経済的価値を高める行為)

外壁塗装をして外観を綺麗にするなど


代理権の消滅事由

代理権は以下の、場合に消滅します(イラスト参照)。

代理人が死亡した時、破産手続きの開始、後見開始の審判を受けた時

◆本人の死亡または本人の破産手続き開始の決定があった時(法定代理の場合には、本人の破産では消滅しない)


民法改正点と一緒に学習


代理の基本的な内容については上記の通りですが、その他の点については民法改正点と一緒に確認をしていきましょう。


代理人の行為

復代理人

代理権の濫用

自己契約・双方代理

無権代理人の責任

代理権授与表示による表見代理

権限外の行為の表見代理

代理権消滅後の表見代理


今回もお読み頂きありがとうございました。

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