オリジナル判決文の4回目です。
判決文の解き方についてはこちらを参考にしてください。
1~3回目をまだ解いていない方は是非こちらからご覧ください。
宅建独学合格対策!オリジナル判決文問題 ②抵当権
宅建独学合格対策!オリジナル判決文問題 ③使用者責任
問題
1から4までの記述のうち、下記判決文によれば、誤っているものはどれか。
(判決文)
民法910条の規定は,相続の開始後に認知された者が遺産の分割を請求しようとする場合において,他の共同相続人が既にその分割その他の処分をしていたときには,当該分割等の効力を維持しつつ認知された者に価額の支払請求を認めることによって,他の共同相続人と認知された者との利害の調整を図るものである。そうすると,同条に基づき支払われるべき価額は,当該分割等の対象とされた遺産の価額を基礎として算定するのが,当事者間の衡平の観点から相当である。そして,遺産の分割は,遺産のうち積極財産のを対象とするものであって,消極財産である相続債務は,認知された者を含む各共同相続人に当然に承継され,遺産の分割の対象とならないものである。以上によれば,相続の開始後認知によって相続人となった者が遺産の分割を請求しようとする場合において,他の共同相続人が既に当該遺産の分割をしていたときは,民法910条に基づき支払われるべき価額の算定の基礎となる遺産の価額は,当該分割の対象とされた積極財産の価額であると解するのが相当である。このことは,相続債務が他の共同相続人によって弁済された場合や,他の共同相続人間において相続債務の負担に関する合意がされた場合であっても,異なるものではない。
1 遺産の分割は,遺産のうち積極財産を対象とし,相続債務は,認知された者を含む各共同相続人に当然に承継され,遺産の分割の対象にならない
2 相続の開始後認知によって相続人となった者が遺産の分割を請求しようとする時,他の共同相続人同士で相続債務の負担に関する合意がされた場合は,支払われるべき価額の算定の基礎となる遺産の価額は,当該分割の対象とされた積極財産の価額とならない
3 相続の開始後認知によって相続人となった者が遺産の分割を請求しようとする場合において,他の共同相続人が既に当該遺産の分割をしていたときは,支払われるべき価額の算定の基礎となる遺産の価額は,当該分割の対象とされた積極財産の価額となる
4 相続の開始後に認知された者が遺産の分割を請求する場合において,他の共同相続人が既にその分割その他の処分をしていたときには,その分割等の効力を維持しつつ認知された者に価額の支払請求を認めている
基本知識
相続に関する問題ですので、まずは条文を確認しておきましょう。
とありますので、親がすでに死亡している場合は、死亡から3年以内に死後認知を請求することができます。
そして認知は、出生の時にさかのぼってその効力を生ずるのですが、第三者が既に取得した権利を害することはできません。では相続の手続きなどが終わっている場合は泣き寝入りなのか?というと、以下の条文があります。
と他の相続人に対して金銭の支払いを請求することで利害調整を図るものとされているのですが、これを踏まえて、相続の開始後に認知された者が請求できる相続分の金額を算定する際には、マイナスの財産である相続債務は控除される…というのが今回の判決文です。
上記をまとめたのが下のイラストですので、ポイントをおさえておきましょう。
解答解説
知識がなくても本文が正確に読めれば解ける問題です。判決文は難しい印象がありますが、そのまま解けるケースもありますので、食わず嫌いにならないためにも数をこなして慣れていきましょう。
民法910条の規定は,相続の開始後に認知された者が遺産の分割を請求しようとする場合において,他の共同相続人が既にその分割その他の処分をしていたときには,当該分割等の効力を維持しつつ認知された者に価額の支払請求を認めることによって,他の共同相続人と認知された者との利害の調整を図るものである。そうすると,同条に基づき支払われるべき価額は,当該分割等の対象とされた遺産の価額を基礎として算定するのが,当事者間の衡平の観点から相当である。そして,遺産の分割は,遺産のうち積極財産のを対象とするものであって,消極財産である相続債務は,認知された者を含む各共同相続人に当然に承継され,遺産の分割の対象とならないものである。以上によれば,相続の開始後認知によって相続人となった者が遺産の分割を請求しようとする場合において,他の共同相続人が既に当該遺産の分割をしていたときは,民法910条に基づき支払われるべき価額の算定の基礎となる遺産の価額は,当該分割の対象とされた積極財産の価額であると解するのが相当である。このことは,相続債務が他の共同相続人によって弁済された場合や,他の共同相続人間において相続債務の負担に関する合意がされた場合であっても,異なるものではない。
上記のように本文に書いてありますので、これは正しい内容です。
民法910条の規定は,相続の開始後に認知された者が遺産の分割を請求しようとする場合において,他の共同相続人が既にその分割その他の処分をしていたときには,当該分割等の効力を維持しつつ認知された者に価額の支払請求を認めることによって,他の共同相続人と認知された者との利害の調整を図るものである。そうすると,同条に基づき支払われるべき価額は,当該分割等の対象とされた遺産の価額を基礎として算定するのが,当事者間の衡平の観点から相当である。そして,遺産の分割は,遺産のうち積極財産のを対象とするものであって,消極財産である相続債務は,認知された者を含む各共同相続人に当然に承継され,遺産の分割の対象とならないものである。以上によれば,相続の開始後認知によって相続人となった者が遺産の分割を請求しようとする場合において,他の共同相続人が既に当該遺産の分割をしていたときは,民法910条に基づき支払われるべき価額の算定の基礎となる遺産の価額は,当該分割の対象とされた積極財産の価額であると解するのが相当である。このことは,相続債務が他の共同相続人によって弁済された場合や,他の共同相続人間において相続債務の負担に関する合意がされた場合であっても,異なるものではない。
上記のように本文は真逆の内容が書かれていますので、この選択肢は誤っています。よってこれが正解の選択肢です。
民法910条の規定は,相続の開始後に認知された者が遺産の分割を請求しようとする場合において,他の共同相続人が既にその分割その他の処分をしていたときには,当該分割等の効力を維持しつつ認知された者に価額の支払請求を認めることによって,他の共同相続人と認知された者との利害の調整を図るものである。そうすると,同条に基づき支払われるべき価額は,当該分割等の対象とされた遺産の価額を基礎として算定するのが,当事者間の衡平の観点から相当である。そして,遺産の分割は,遺産のうち積極財産のを対象とするものであって,消極財産である相続債務は,認知された者を含む各共同相続人に当然に承継され,遺産の分割の対象とならないものである。以上によれば,相続の開始後認知によって相続人となった者が遺産の分割を請求しようとする場合において,他の共同相続人が既に当該遺産の分割をしていたときは,民法910条に基づき支払われるべき価額の算定の基礎となる遺産の価額は,当該分割の対象とされた積極財産の価額であると解するのが相当である。このことは,相続債務が他の共同相続人によって弁済された場合や,他の共同相続人間において相続債務の負担に関する合意がされた場合であっても,異なるものではない。
上記のように本文に書いてありますので、これは正しい内容です。
民法910条の規定は,相続の開始後に認知された者が遺産の分割を請求しようとする場合において,他の共同相続人が既にその分割その他の処分をしていたときには,当該分割等の効力を維持しつつ認知された者に価額の支払請求を認めることによって,他の共同相続人と認知された者との利害の調整を図るものである。そうすると,同条に基づき支払われるべき価額は,当該分割等の対象とされた遺産の価額を基礎として算定するのが,当事者間の衡平の観点から相当である。そして,遺産の分割は,遺産のうち積極財産のを対象とするものであって,消極財産である相続債務は,認知された者を含む各共同相続人に当然に承継され,遺産の分割の対象とならないものである。以上によれば,相続の開始後認知によって相続人となった者が遺産の分割を請求しようとする場合において,他の共同相続人が既に当該遺産の分割をしていたときは,民法910条に基づき支払われるべき価額の算定の基礎となる遺産の価額は,当該分割の対象とされた積極財産の価額であると解するのが相当である。このことは,相続債務が他の共同相続人によって弁済された場合や,他の共同相続人間において相続債務の負担に関する合意がされた場合であっても,異なるものではない。
上記のように本文に書いてありますので、これは正しい内容です。
こういう問題はチャンス問題ですので、ややこしい書かれ方をしている文章から適切に内容を読み切れば、確実に正解できますので、慣れていきましょう。
今回もお読み頂きありがとうございました。
さしつかえなれけば応援のクリックをお願い致します。
にほんブログ村