こんにちは、坂上です。
働きながら勉強をして一発で宅建に合格し、毎年宅建の受験生を支援しています。
宅建直前期には無駄なことをやっていては合格率はUPしません。
宅地造成等規制法は最後の最後に勉強をしても得点につながりますので、必ず覚えておきましょう。
そして時間がない時こそ、その法律は何のためにあるのか?という原理原則を覚えましょう。
宅建の王道は、「原理原則を覚える → 過去問を解いて原理原則がどう使えるかを確認する」です。
結局はそれが一番応用も効きますし、忘れづらいという本番の得点につながるのです(語呂合わせも一緒に使うとより効果的)。
宅地造成等規制法の目的とは、災害を防止する事ですので、この目的だけおさえて問題を解いてみましょう。
当然問題を解くためには知識が必要なのですが、この災害を防止するという観点があれば解ける問題もあります。
問題演習① 平成30年・問20
問題
1.宅地造成工事規制区域内において、過去に宅地造成に関する工事が行われ現在は造成主とは異なる者がその工事が行われた宅地を所有している場合、当該宅地の所有者は、宅地造成に伴う災害が生じないよう、その宅地を常時安全な状態に維持するように努めなければならない。 2.宅地造成工事規制区域内において行われる宅地造成に関する工事について許可をする都道府県知事は、当該許可に、工事の施行に伴う災害を防止するために必要な条件を付することができる。 3.宅地を宅地以外の土地にするために行う土地の形質の変更は、宅地造成に該当しない。 4.宅地造成工事規制区域内において、切土であって、当該切土をする土地の面積が400㎡で、かつ、高さ1mの崖を生ずることとなるものに関する工事を行う場合には、一定の場合を除き、都道府県知事の許可を受けなければならない。
さあ、いかがでしょうか?
災害を防止するという観点で解けたでしょうか、それではその観点で解説をします。
選択肢・1
簡単に言えば、造成主とは異なる人が所有者になった場合、安全な状態に維持するかどうかという問題です。
災害を防止するという観点で見れば、安全な状態に維持するように努める!と判断できます。
よってこの選択肢は正しい選択肢です。
これは知識うんぬんで考えるより、何のためにある法律なのか?で解いた方が正解につながるかもしれません。
選択肢・2
これも知識うんぬんで考えるより、何のためにある法律なのか?で解いた方が正解につながる問題でしょう。
災害を防止するという観点で見れば、工事の施行に伴う災害を防止するために必要な条件を付することができると考える方が、法律の目的にかなっています。
よってこの選択肢は正しい選択肢です。
選択肢・3
これも知識うんぬんで考えるより、何のためにある法律なのか?で解いた方が正解につながる問題ですが、重要な論点があります。
それは宅地造成等規制法は、文字通り宅地でない土地には規制が及ばないのです。
よってこの選択肢は正しい選択肢です。
法律の名前や目的をおさえておけば、それはそうだろ!という論点なのですが、必ず覚えておいてください。
選択肢・4
残った選択肢4が誤りとなり、これが正解の選択肢となるのですが、この問題には重要な論点があります。
それは許可が必要となる造成工事の規模です。
許可が必要な造成工事の規模
宅地造成工事規制区域内で行う工事で、許可が必要な造成工事の規模は、以下の①~④のどれか1つにでもあてはまる場合です。
この観点で選択肢4を見てみましょう。
切土の面積が500㎡以下で、高さ1mですので許可が必要な造成工事には当てはまりません。
これは数字を覚えておかなければ絶対に解けない問題ですので、必ず解けるようにしましょう。
ちなみに私は以下のように覚えました。
き も 兄(にい)ちゃん、 2人合わせて ゴリラ声
(切土)(盛土) (2m 1m) (合わせて2m) (500㎡超)
問題演習② 平成28年・問20
問題
1.宅地造成工事規制区域外に盛土によって造成された一団の造成宅地の区域において、造成された盛土の高さが5メートル未満の場合は、都道府県知事は、当該区域を造成宅地防災区域として指定することができない。 2.宅地造成工事規制区域内において、切土又は盛土をする土地の面積が600平方メートルである場合、その土地における排水施設は、政令で定める資格を有する者によって設計される必要はない。 3.宅地造成工事規制区域内の宅地において、高さが2メートルを超える擁壁を除却する工事を行おうとする者は、一定の場合を除き、その工事に着手する日の14日前までにその旨を都道府県知事に届け出なければならない。 4.宅地造成工事規制区域内において、宅地以外の土地を宅地に転用した者は、一定の場合を除き、その転用した日から14日以内にその旨を都道府県知事に届け出なければならない。
都道府県知事へ届出が必要な工事
よく出題される内容ですので、これは必ず覚えましょう。
②高さ2m超の擁壁の除却工事または排水施設等の除却工事を行おうとする場合 工事着手14日前までに届け出る(行おうとする者が届け出る)
③宅地以外の土地を宅地に転用した場合(造成工事を行わない場合も届け出る必要がある 転用後14日以内に届け出る(行おうとする者が届け出る)
④宅地造成工事に関する計画の軽微な変更 変更後、遅滞なく行う
届出が必要な工事を問題にあてはめてみる
これを踏まえて選択肢3と4を見てみましょう。
はい、その通り正解です。
届出が必要な②に当てはまります。
はい、こちらも正解です。
届出が必要な③に当てはまります。
ちなみにこの届出についてはよく出題されていますので、話が少し横道にそれますがご紹介しておきます。
これは許可ではなく、届け出が必要な内容ですので、誤り=正解の選択肢になります。
はい、その通り正解です。
工事施行者の変更は軽微な変更にあてはまります。
届出は宅地造成等規制法では良く出る内容ですので、必ず覚えましょう。
政令で定める資格を有する者が設計するもの
許可や届出と比較すれば優先度は落ちますが、覚えておかないと問題を解けないのが、宅地造成工事規制区域内において行われる宅地造成に関する工事には、一定の資格を有する者の設計が必要なものがあります。
これを平成30年度の選択肢にあてはめてみましょう。
選択肢の土地の面積は600㎡ですので、政令で定める資格を有する者によって設計される必要はない、ということで正しい選択肢になります。
という事で残った選択肢1が誤り=正解の選択肢になりますが、 この問題を解くのに必要な知識はかなりレアですので、この時期であれば、ここまで範囲を広げなくてもいい内容です。
ちなみにこの問題(平成30年・問20)の正解率は57.1%で、合格と不合格者の正解率の差が約29%と差がついた問題になります(この年の5位)。
選択肢3と4までは多くの受験生がおさえますが、選択肢2の論点まではおさえる受験生は減るので、結果として差がついた問題と推測します。
その他のポイント
宅地造成等規制法は誤りを選ぶ問題が多い
宅建では正しいものを選ぶのか、誤っているものを選ぶのかが重要だということを繰り返しお伝えしてきました。
この宅地造成等規制法は平成18年以降、ほぼ誤りを選ぶ問題が出題されています。
という事は法律の目的である、災害を防止するという観点からズレているものは誤り=正解の選択肢となる可能性が高いのです。
今回もお読み頂きありがとうございました。
↓↓さしつかえなければ応援のクリックをお願い致します↓↓
にほんブログ村