【宅建の合格率UP】残り1週間で間に合う農地法!の覚え方

宅建に独学合格

こんにちは坂上です。

働きながら宅建に一発で独学合格、そのノウハウを活かして毎年宅建の受験者を支援しています。

宅建の直前期はとにかく本番での得点に直結することを勉強しましょう。

特に農地法は残り1週間でも十分に間に合う単元です。

農地法は毎年出ている頻出分野です(もしかしたらこの論点が出るかもしれません)。

そして毎年正解率が高く、合格者と不合格者で差のつきやすい問題になっています。

覚える事が少ない割に点数が取れて、差もつきやすい!という、もし最後の最後にやるならこれ!という内容ですので、必ずおさえましょう。

仮に農地が日本からなくなったら、どうなるでしょうか?あっと言う間に私たちは食糧危機に陥ります。

あり得ない前提かもしれませんが、そこから考えると農地法の目的がよく分かります。

農地は私たちに食料を提供してくれる非常大切な土地です。

その農地が勝手に宅地に転用されたり、農業を営むつもりのない者が農地を買えないように、農地は農地法で厳しく規制が行われているのです。

農地法の基礎を簡単にお伝えしたうえで、2年分の過去問を解いてみましょう!


農地法の基礎知識(3条・4条・5条)


農地法による規制は大きく分けて以下の3パターンです。

ちなみに農地法の超・重要ポイントは、何条がどのような事象を対象にしているか?ですので、必ず覚えてください。

農地法条・使うが変わる


農業をやりたい人が農地を購入するような場合、原則として農業委員会の許可を受ける必要があります。

農地法条・使いが変わる



農家の人が自分の農地を造成して宅地にするような場合、原則として都道府県知事の許可を受ける必要があります


農地法条・使うも、使いも変わる



住宅を建設したい人が農家の人から農地を購入するような場合 (宅地から農地に変わる) 、 原則として都道府県知事の許可を受ける必要があります。

ちなみに農地法の覚え方ですが、私は以下のように覚えました。





3人の仕方ご了解条使う条使い方)です。

この基本をベースに注意すべき点がありますので、それは問題を使って説明をしていきます。


問題① 平成30年・問22

問題

平成30年・問22

農地法(以下この問において「法」という。)に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

 

1.市街化区域内の農地を宅地とする目的で権利を取得する場合は、あらかじめ農業委員会に届出をすれば法第5条の許可は不要である。

2.遺産分割により農地を取得することとなった場合、法第3条第1項の許可を受ける必要がある。

3.法第2条第3項の農地所有適格法人の要件を満たしていない株式会社は、耕作目的で農地を借り入れることはできない。

4.雑種地を開墾し耕作している土地でも、登記簿上の地目が雑種地である場合は、法の適用を受ける農地に当たらない。


さあ、いかがでしょうか?

では解説をしていきます。


選択肢1・市街化区域内の特例

市街化区域内の農地を宅地とする目的で権利を取得する場合は、あらかじめ農業委員会に届出をすれば法第5条の許可は不要である。


この選択肢ですが、先ほどの農地法の基礎知識から考えると、使う人も使い方も変わりますので、農地法5条の許可が必要です。

ここで超・重要ポイント、市街化区域内という言葉があります。

市街化区域は、市街化(街づくり)をする場所ですので、農地を農地以外の土地にする場合には、農業委員会に届出をすればいいという扱いになっています。

ちなみにこれは農地法4条も同じです(農地を農地以外にするので)。

市街化区域内の農地を農地以外の土地にする!という場合ですので、人が変わるだけで農地はそのままとなる農地法3条には適用されません。

このポイントは非常によく出ますので、必ずおさえましょう。

ちなみにこの選択肢は正しいので、これが正解の選択肢となります。


選択肢2・遺産分割による取得は許可不要

遺産分割により農地を取得することとなった場合、法第3条第1項の許可を受ける必要がある。


遺産分割という事は農地を使う人が変わります。

そこで農地法3条の許可がいりそうな気もしますが、遺産分割や相続などによる農地取得は許可不要です。

よってこの選択肢は誤りです。

簡単に言えば、相続などは法律の規定により所有権が移りますので、売買など意思で決まるものとは違う!といったところです。

そのため以下の問題は許可が必要となります。


(平成28年・問22・選択肢1)相続により農地を取得する場合は、法第3条第1項の許可を要しないが、相続人に該当しない者に対する特定遺贈により農地を取得する場合も、同項の許可を受ける必要はない(→許可を受ける必要がある)。


法律で決まっていることですので、詳細な説明は省きますが、相続人以外への特定遺贈は意思で決まるもの!と考えられますので、許可が必要になるということでしょう。


選択肢3・一般法人でも借り入れは可能

法第2条第3項の農地所有適格法人の要件を満たしていない株式会社は、耕作目的で農地を借り入れることはできない。


農地の借り入れは一般法人でも可能です。

ちなみにこの選択肢は平成28年・問22・選択肢2と全く同じです。

宅建は似たような問題が出ますが、全く同じ問題が出た!という珍事例です。

よってこの選択肢は誤りです。


選択肢4・農地の判断は現況で決まる

雑種地を開墾し耕作している土地でも、登記簿上の地目が雑種地である場合は、法の適用を受ける農地に当たらない。


農地法上の農地かどうかの判断は、現況で決まります。

登記簿上はどうであれ、現況で耕作している土地は農地法の規制を受けます。

よってこの選択肢は誤りです。


問題② 平成29年・問15

問題

平成29年・問15

農地に関する次の記述のうち、農地法(以下この問において「法」という。)の規定によれば、正しいものはどれか。

 

1.市街化区域内の農地を耕作のために借り入れる場合、あらかじめ農業委員会に届出をすれば、法第3条第1項の許可を受ける必要はない。

2.市街化調整区域内の4ヘクタールを超える農地について、これを転用するために所有権を取得する場合、農林水産大臣の許可を受ける必要がある。

3.銀行から500万円を借り入れるために農地に抵当権を設定する場合、法第3条第1項又は第5条第1項の許可を受ける必要がある。

4.相続により農地の所有権を取得した者は、遅滞なく、その農地の存する市町村の農業委員会にその旨を届け出なければならない。


さあ、いかがでしょうか?

それではこの問題では何をおさえる必要があるのか?を意識して解説をしていきます。


選択肢1・市街化区域内の特例

市街化区域内の農地を耕作のために借り入れる場合、あらかじめ農業委員会に届出をすれば、法第3条第1項の許可を受ける必要はない。


市街化区域、農業委員会に届出、許可を受ける必要はない・・・とくれば正しい選択肢だと判断したくなります。

しかし、この問題は農地法3条の対象になり、農地を農地以外の土地にするわけではありません。

農地法3条には市街化区域内の特例はありませんので、この選択肢は誤りになります。

これは中途半端に覚えているとひっかかる問題ですので、農地法の数少ない論点は必ず正確に覚えましょう。


選択肢2・農地法何条にあたるかを判断する

市街化調整区域内の4ヘクタールを超える農地について、これを転用するために所有権を取得する場合、農林水産大臣の許可を受ける必要がある。


こういった農地法○条と書かれていない選択肢の場合は、まずは農地法第何条にあたるのかを判断しましょう。

この選択肢は農地を転用して、所有権を取得しますので農地法5条の対象になります。

市街化区域内ではないので・・・と考えてはいけません。

農地法5条の場合に許可をするのは都道府県知事又は指定市町村の長であり、農林水産大臣ではありません。

よってこの選択肢は誤りです。

ちなみにこの面積4ヘクタール超は都道府県知事の許可がいるというのは、平成28年度の宅建の改正点でした。

このように改正年度には出されず、翌年に・・・というパターンはありますので、以下のブログを参考に昨年の改正点を改めてご確認ください。


選択肢3・抵当権設定は許可不要

銀行から500万円を借り入れるために農地に抵当権を設定する場合、法第3条第1項又は第5条第1項の許可を受ける必要がある。


抵当権が設定されても、その農地を使う人に変化はありませんから、農地法上の許可は不要です。

仮に抵当権が実行され、所有者が変更するようなことになれば、許可が必要となることも合わせておさえておきましょう。

よってこの選択肢は誤りです。  


選択肢4・相続による農地取得は許可不要

相続により農地の所有権を取得した者は、遅滞なく、その農地の存する市町村の農業委員会にその旨を届け出なければならない。


相続により農地の所有権を取得した者は、3条の許可は不要ですが、農業委員会にその旨を届出る必要があります。

よってこの選択肢は正しく、これが正解の選択肢となります。


農地法まとめ

農地法はこの重要ポイントをおさえる

 まずは農地法の何条かを判断する

 市街化区域内の特例



この2点は絶対におさえる必要があり、最もコスパがいいのは、この2点と過去問に出た論点を覚える事です。

そして農地法のコスパがいいのは、合格者・不合格者で差がつく問題だからです。

農地法の正解率と合格者・不合格者の差(順位を記載)

 

平成27年  73.5%(13位)

平成28年  83.7%(14位)

平成29年  83.5%(14位)

平成30年  82.1%(8位)


宅建は全部で50問ですので、この4年では全ての問題が、各年の差がつく問題の上位3分の1に入っています。

これが農地法はコスパが良い!という意味ですので、合格するためにこの1問を是非正解してください。


農地法は正しいもの選ぶことが多い


宅建では正しいものを選ぶのか、誤っているものを選ぶのかが重要になりますが、この農地法は、過去10年で8回が正しいものを選ぶパターンです。

今年もその可能性が十分にありますので、心構えを持って本番に臨んでください。


今回もお読み頂きありがとうございました。


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